ジャスト イン スプリエ

まっさん、さこ、やんもの3人による更新となります。タイプの違う3人の怒涛の日々をお送りいたします。

世界193全ヶ国をひとことで解説 西アフリカ内陸(サヘル)編

こんばんは、さこです。

西アフリカ14か国は3回にわけて紹介します。今回はその前編。

 

「サヘル」というと、アフリカのサハラ砂漠のすぐ南に帯状に広がるある半乾燥地帯である。つまり、ゴリゴリのサハラ砂漠よりかはちょっとマシな場所。もともとはサバナ地帯で歴史的に国家が繁栄したこともあったが、近年砂漠化が問題になったりしている。

なかでも「サヘル諸国」に言われるのは一般的に5か国で、モーリタニア・マリ・ブルキナファソニジェール・チャドがそれにあたる。この5か国は「サヘルG5」という経済・防衛のための共同体を作っている。

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今回はその中でも、西アフリカにあたる内陸国の3か国(色が濃いの)だけ紹介する。これらの国の、特に3つの国境付近となっている地域は共同の地域自治体を形成している。

この3カ国は、全て旧「フランス領西アフリカ」の諸国。これらの国は西アフリカ全般に広がり、現在も「CFAフラン(XOF)」共通紙幣を導入しているなど、関係性も深い。西アフリカ3か国を見ていく上でポイントにしてほしい。

それから、西アフリカ全域には、「フラニ族」や「トゥアレグ族」という遊牧民族がジプシーみたいな感じで各国にいる。フラニはアフリカ系、トゥアレグ族ベルベル人系である。特にフラニ族は世界最大の遊牧民族である。こんな民族のほか、サブサハラの国にはいろんな民族が1つの国に住んでいる。基本的には最大民族を中心に紹介していく。

 

〈西アフリカ内陸3か国 98.~100.〉

98.マリ 黄金の国

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「人類史上最高の金持ち」をご存知だろうか?それはマリ王国の14世紀に王位についた「マンサ・ムーサ」で、35兆円相当の資産を保有したと言われる。そんな事もあり、かつてのマリ王国は「黄金の国」と言われた、西アフリカのサハラ交易によって勢力を拡張したイスラム系(諸説あり)の国家である。

マリ帝国の子孫は「マンディンカ」と呼ばれる民族で(諸説あり)、マリのほかセネガルギニアビサウにいる。ほとんどがイスラム教徒。マンディンカのほか、マリ王国と並ぶ王国であった「ソンガイ王国」を建てたソンガイ族は6%ほどいる。

しかし、最大の民族はいずれでもなく、人口の3割を占める「バンバラ族」。不信心という意味で、かつては土着宗教を信仰していた。ただし現在はイスラム化している。また、マリでは民族にかかわらず人口の8割がバンバラ語を話す。

逆L字型の国土の北西半分はほぼ砂漠地帯であまり人は住んでいない。人口の大部分が南西半分に住むため、政治・経済もそっち中心になる。南西部に住む少数の民族は宗教もやや異なり、近年対立が顕在化している。

旧フランス植民地

 

99.ブルキナファソ アフリカのカウボーイ

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旧称オートボルタ。フランス語で「ボルタ川上流」と言う意味で、ガーナから流れるボルタ川という川が主要な川。白ボルタ・赤ボルタ・黒ボルタという3つの支流がいずれも国土を流れる。天然資源にはあまり恵まれておらず、砂漠化の進行などの影響もあり土地もあまり肥沃でない。ただし、80%が農業従事者の農業国。経済的にはかなり貧しい国で、IMF世界銀行の援助に依存している。

ブルキナファソの最大民族で人口の50%弱を占める「モシ人」は騎馬民族として有名で、いわば「アフリカのカウボーイ」。その他にも多様な民族がおり、それぞれが特徴的な住居の建築様式を持っている。信仰は6割がムスリムで3割がキリシタン

アフリカでトップクラスに治安が良く、国民性も朗らかであると旅人の評判がすこぶる良い国。ただし、近年テロ事件が頻発している。

国名そのもののキャッチーな響きだが、「ゴロンゴロン」とか「ブルンブルン」とかいう地名がある。

国旗がベトナムに似ている

 

100.ニジェール 世界一若い国

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左:PopulationPyramid.netより 右:ハウサ族の紋章

国名「ニジェール」は黒を意味するラテン語で、「ニガー」「ニグロ」と同じ語源である。南部の人口密集地にニジェール川がながれる。

そんなニジェールの特徴は、出生率が世界一で、驚異の7.2を誇ること。若年人口(15歳未満)比率は世界で唯一50%を超える。ちなみに世界最低の日本は12.3%。年齢の中央値は15.1歳で、画像の人口ピラミッドのように典型的な「多産多死」型。

平均余命、識字率、就学率、国内総生産から決定される「人間開発指数」が最も低い。なかでも、識字率が世界で最も低く、20%を下回るというデータがある。(2015 CIA)

北部に行くほどサハラ砂漠で、国土の4/5を砂漠地帯が占める「砂の国」。

最大民族は「ハウサ族」と言い、国民の4割ほど。ニジェール南部の人口密集地からナイジェリア北部にかけて居住する。他に、北部の砂漠地帯には遊牧民族トゥアレグ族(上述)が多くいる。宗教は8割以上がイスラム教のスンニ派

 

 

今回は内陸でしたが、次回・次々回は海沿い(ギニア湾沿い)を紹介していきます。「アッパーギニア」「ロワーギニア」と2回にわけていきます。

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