オセアニアの島国は、メラネシア系、ミクロネシア系、ポリネシア系の3区分に分けられます。今回含めて3回にわたって紹介していきます。
前提知識として、オセアニアの先住民は何人種かご存知でしょうか?
世界の人種をコーカソイド(≒白人)、ネグロイド(≒黒人)、モンゴロイド、オーストラロイドに分けられる。
主にこのオーストラロイドが、オセアニアを特徴づける人種であると考えて進めていきます。
今回のメラネシアは、「黒い諸島」という語源のあるところです。
オセアニアのなかでも多様な文化・民族があることが特徴です。
大昔はオーストラリアとニューギニア島までつながった「サフル大陸」と呼ばれる大陸を形成しており、紀元前数千年からの人類の営みの歴史がある地域です。
一方で高度な文明が発達した地域ではなく
そのためかつては、文化人類学の対象として多く取り上げられています。
『銃・病原菌・鉄』や、マリノフスキの『西太平洋の遠洋航海者』など。
それでは以下4か国について解説していきます。
メラネシア(4)
147.パプアニューギニア 世界最多の民族と言語
Speedy McVroomによるPixabayからの画像
グリーンランドに次いで世界で2番目に大きな島であるニューギニア島。
そのニューギニア島を縦にスパッと切って右半分、および幾つかの島からなる。
852の言語が確認されている。世界でもトップクラスに多様な民族が住む国。
その民族はユニークないで立ちや、独自の文化を持っているものも多く、冒険バラエティ等の対象になったりしている。
たとえば、死人を燻製にするアンガ族が有名。
太平洋戦争下で戦場になった場所でもある。*1
自然も非常に豊かで国土を覆う熱帯雨林は大きく、未確認の生物が沢山いるとされる。
国旗の右上のシルエットは、極楽鳥の一種である「アカカザリフウチョウ」。そのほか、キノボリカンガルーのようなユニークな生き物がいる。
大麻の使用率世界一。国民の3割が使用している。
148.ソロモン諸島 金髪の黒人
画像はやっつけ仕事。
タイトルだが、厳密にいうと金髪のオーストラロイドである。
住民の1/4が、黒い肌に金髪を持った珍しい特徴を持っている。興味がある人はググってみてほしい。
ガダルカナル島は太平洋戦争のとき日本軍が補給を断たれ、2万人が餓死した。そのため、「餓島」と言われたりした。
サツマイモの消費が世界一(FAO 2003)。
149.バヌアツ バンジージャンプ
ニューカレドニアという大きな島とその他の諸島からなる国。
バンジージャンプの元祖となった、成人の儀式「ナゴール」が有名な国。
木でくみ上げたやぐらから、命綱のツタを足にくくってジャンプするバヌアツのある地域で行われている成人の儀式。
そのほか文化として、島々の部族の伝達手段として用いられた砂絵は世界無形文化遺産に登録されている。
エロマンガ島という島がある。
150.フィジー インド系との共存
メラネシアでは東端に位置し、太平洋のど真ん中の島国。文化的にもポリネシア(後章にて述べる)に若干近い特徴を持つ。土着人種にははソロモンと同様金髪の黒人がいる。
民族構成が特徴的で、フィジー土着民族は60%弱で、3割強が印僑。
19世紀に渡来したインド人が多く、フィジー訛りのヒンディー語が公用語の一つになっている。
かつては南太平洋では宗教的な食人の習慣がある民族が散見されたが、とくにフィジーは欧米諸国で食人族の島として有名だった。
次回はミクロネシア編。