ジャスト イン スプリエ

まっさん、さこ、やんもの3人による更新となります。タイプの違う3人の怒涛の日々をお送りいたします。

世界193ヶ国をひとことで解説 ミクロネシア編

今回オセアニア第二弾です。

ミクロネシアは比較的日本から近く、近現代史に詳しい人にとっては「旧南洋諸島」というとわかりやすい地域です。

ドイツ植民地だったこの地域は第一次大戦後、委任統治領として日本の施政下におかれました。*1

メラネシアでも若干触れましたが、オセアニア諸国は太平洋戦争時等でかつては日本との関わりも実は深い国が多いです。

現在は代わってアメリカが主となっています。

マーシャル・パラオ・FSMはアメリカと自由連合盟約を結んでおり、経済援助をする代わりに軍事と外交はアメリカが掌握するシステムを取っている。

また、キリスト教の一宗派である「モルモン教」はオセアニア島嶼国では存在感がでかく、特にミクロネシアでもみられます。

では今回ミクロネシア5カ国について解説してまいります。

 

ミクロネシア(5)

151.ミクロネシア連邦(FSM) ムー大陸の首都?

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ウィキメディアコモンズより:CT Snow from Hsinchu, Taiwan - the ruins of Nan Madol in Pohnpei

第一次世界大戦以降、日本の委任統治南洋諸島の一部だった。今も日系人が2割ほどいて、初代大統領も日系2世だった。

森林率90%の熱帯雨林の島。

小さい島が点在する国土は小さい国だが、排他的経済水域は300万平方メートルある(世界14位で中国より広い)。※ちなみにキリバス(後述)は13位。

 

青地に星4つのシンプルな国旗を持つ。国旗の星4つは4つの州を意味し、州ごとにそれぞれ文化が大きく異なる。

東側の「ヤップ州」は伝統文化が豊富。石貨(ストーンマネー)といわれる、石でできた貨幣を利用されていた地域がある。巨大な石の円盤で、世界一大きな貨幣といわれている。

首都がある「ポンペイ州」は「ナン・マドール(ナンマトル)遺跡」で有名。巨石でできた人工島が海上に並び『太平洋のベニス』などと言われている。

ムー大陸の首都と言う説もあるらしい。

「チューク州」「 はともに常夏の島といったイメージで、チューク州には太平洋戦争時の沈没船が見られるダイビングスポットが多数ある。

 

現在の公用語は英語。米国式教育を実践しており、GDPに占める公的教育費が10%以上あり、世界一(UNESCO 2018)。

 

152.パラオ 親日の島

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Syed Rashid MinhasによるPixabayからの画像

 

南洋諸島で、現在も親日な国として知られている島国。

現在のコロール市には委任統治時代の南洋庁の本部があった。

現在の首都は「マルキョク」というところだが、人口が400人程度しかおらず世界一人口が少ない首都である。

太平洋戦争時には、ペリリューの戦いの舞台になる。

言語的に他のミクロネシア語と孤立した特徴的な言語を使う。

 

153.マーシャル諸島 ビキニ環礁

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WikiImagesによるPixabayからの画像

世界にいくつかある、国土全てが環礁からなる国。*2

アメリカによる核実験が何度も行われたビキニ環礁は、負の記憶として世界遺産になっている。ビキニ水着の語源とゴジラ誕生の原因になったやつ。

今でもその名残があり、爆心地のクレーターや放射線の残留がみられる。

そういった歴史もあり特にアメリカとの関係は深く、経済の6割がアメリカからの援助で成り立っている。

パナマに次ぐ世界二位の船籍国である。*3

 

 

154.ナウル アホウドリの糞でできた国

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この国の特徴は肥満と堕落。

国土がアホウドリの糞でできていた島国。

そのためかつては、リン鉱石資源が豊富でかつては世界最高水準の生活だった。その時代のナウルは税金もなく、結婚すれば国が家をプレゼントしてくれたという天国のような国だった。

肥満率は63で世界一(日本3.7%、アメリカ37%、WHO2017)。

現在はそのころの名残か国民総ニート状態となり、失業率9割という眉唾なデータもある。

あまりにひどすぎて全国民の移住計画が持ち上がったこともあった。

年率の財政収支が20%超と、世界一黒字率が高い(IMF2019)。

世界で3番目に小さい国で、オセアニアで1番小さい国でもある。

この国に興味ある方は、タイトル同名の書籍『アホウドリの糞で出来た国―ナウル共和国物語』をぜひ。

 

(補)その他

国ではないですが、以下いくつかの国の飛び地もミクロネシアに属します。

・グアム(アメリカ)

小笠原諸島(日本)

北マリアナ諸島アメリカ)

 

155.キリバス ガチの日出ずる国

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Clker-Free-Vector-ImagesによるPixabayからの画像

日付変更線を見ると南半球のところがすげーグニャッとボコっとなっているところがある。そこがキリバス

世界で唯一、南北東西の半球全てにまたがる国である。(海外領土入れるとフランスも)

世界で1番最初に日が昇る国。場所的にはミクロネシアポリネシア(次章)の両方にまたがる地域圏。民族的には完全にミクロネシアである。

ナウルと同様、全てが環礁からなる国。

33個の環礁が集まる小国だが、排他的経済水域の広さで見るとブラジルに次いで世界13位。人口トップの中国やインドより大きい。

クリスマス島は世界一大きな環礁。島の周辺で20回ほど核実験が行われた歴史がある。

ギルバート諸島フェニックス諸島ライン諸島からなる。ギルバート諸島のブリタリ環礁では太平洋戦争で戦場になっており、コール・オブ・デューティーで出てくるらしい。

キリバスは紀元前3000年前から生活が営まれていたと言われており、オセアニア諸国の本家であるという自負を持っている。

英語と土着語のギルバート語を話す。他のミクロネシア語も、ギルバート語と共通の特徴を持つ親戚(パラオ除く)。13のアルファベットからなり、Sの音がない(そのため、英語表記はkiribati)。

ハリセンボンの兜と、サメの歯で作った劔で武装した軍があった。

 

*1:ナウルキリバスに関しては、日本の旧南洋諸島ではない。

*2:ドーナツ状に,中央部に島のないサンゴ礁(byコトバンク)。天橋立のような、幅10メートル程度で標高が低い国土が細長く環状に連なっている。

*3:便宜置籍船(べんぎちせきせん、英: flag of convenience ship)とは、その船の事実上の船主の所在国とは異なる国家に船籍を置く船をいう。実質的な所有主の国籍国の船旗ではなく、便宜的に船籍を置いた他国の旗を付けて運航されている。 Wikipediaより。マーシャル諸島の他にも、船籍を置かせることが国家経済を担っている国はいくつかある。