ジャスト イン スプリエ

まっさん、さこ、やんもの3人による更新となります。タイプの違う3人の怒涛の日々をお送りいたします。

世界193全ヶ国をひとことで解説 西アフリカ内陸(サヘル)編

こんばんは、さこです。

西アフリカ14か国は3回にわけて紹介します。今回はその前編。

 

「サヘル」というと、アフリカのサハラ砂漠のすぐ南に帯状に広がるある半乾燥地帯である。つまり、ゴリゴリのサハラ砂漠よりかはちょっとマシな場所。もともとはサバナ地帯で歴史的に国家が繁栄したこともあったが、近年砂漠化が問題になったりしている。

なかでも「サヘル諸国」に言われるのは一般的に5か国で、モーリタニア・マリ・ブルキナファソニジェール・チャドがそれにあたる。この5か国は「サヘルG5」という経済・防衛のための共同体を作っている。

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今回はその中でも、西アフリカにあたる内陸国の3か国(色が濃いの)だけ紹介する。これらの国の、特に3つの国境付近となっている地域は共同の地域自治体を形成している。

この3カ国は、全て旧「フランス領西アフリカ」の諸国。これらの国は西アフリカ全般に広がり、現在も「CFAフラン(XOF)」共通紙幣を導入しているなど、関係性も深い。西アフリカ3か国を見ていく上でポイントにしてほしい。

それから、西アフリカ全域には、「フラニ族」や「トゥアレグ族」という遊牧民族がジプシーみたいな感じで各国にいる。フラニはアフリカ系、トゥアレグ族ベルベル人系である。特にフラニ族は世界最大の遊牧民族である。こんな民族のほか、サブサハラの国にはいろんな民族が1つの国に住んでいる。基本的には最大民族を中心に紹介していく。

 

〈西アフリカ内陸3か国 98.~100.〉

98.マリ 黄金の国

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「人類史上最高の金持ち」をご存知だろうか?それはマリ王国の14世紀に王位についた「マンサ・ムーサ」で、35兆円相当の資産を保有したと言われる。そんな事もあり、かつてのマリ王国は「黄金の国」と言われた、西アフリカのサハラ交易によって勢力を拡張したイスラム系(諸説あり)の国家である。

マリ帝国の子孫は「マンディンカ」と呼ばれる民族で(諸説あり)、マリのほかセネガルギニアビサウにいる。ほとんどがイスラム教徒。マンディンカのほか、マリ王国と並ぶ王国であった「ソンガイ王国」を建てたソンガイ族は6%ほどいる。

しかし、最大の民族はいずれでもなく、人口の3割を占める「バンバラ族」。不信心という意味で、かつては土着宗教を信仰していた。ただし現在はイスラム化している。また、マリでは民族にかかわらず人口の8割がバンバラ語を話す。

逆L字型の国土の北西半分はほぼ砂漠地帯であまり人は住んでいない。人口の大部分が南西半分に住むため、政治・経済もそっち中心になる。南西部に住む少数の民族は宗教もやや異なり、近年対立が顕在化している。

旧フランス植民地

 

99.ブルキナファソ アフリカのカウボーイ

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旧称オートボルタ。フランス語で「ボルタ川上流」と言う意味で、ガーナから流れるボルタ川という川が主要な川。白ボルタ・赤ボルタ・黒ボルタという3つの支流がいずれも国土を流れる。天然資源にはあまり恵まれておらず、砂漠化の進行などの影響もあり土地もあまり肥沃でない。ただし、80%が農業従事者の農業国。経済的にはかなり貧しい国で、IMF世界銀行の援助に依存している。

ブルキナファソの最大民族で人口の50%弱を占める「モシ人」は騎馬民族として有名で、いわば「アフリカのカウボーイ」。その他にも多様な民族がおり、それぞれが特徴的な住居の建築様式を持っている。信仰は6割がムスリムで3割がキリシタン

アフリカでトップクラスに治安が良く、国民性も朗らかであると旅人の評判がすこぶる良い国。ただし、近年テロ事件が頻発している。

国名そのもののキャッチーな響きだが、「ゴロンゴロン」とか「ブルンブルン」とかいう地名がある。

国旗がベトナムに似ている

 

100.ニジェール 世界一若い国

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左:PopulationPyramid.netより 右:ハウサ族の紋章

国名「ニジェール」は黒を意味するラテン語で、「ニガー」「ニグロ」と同じ語源である。南部の人口密集地にニジェール川がながれる。

そんなニジェールの特徴は、出生率が世界一で、驚異の7.2を誇ること。若年人口(15歳未満)比率は世界で唯一50%を超える。ちなみに世界最低の日本は12.3%。年齢の中央値は15.1歳で、画像の人口ピラミッドのように典型的な「多産多死」型。

平均余命、識字率、就学率、国内総生産から決定される「人間開発指数」が最も低い。なかでも、識字率が世界で最も低く、20%を下回るというデータがある。(2015 CIA)

北部に行くほどサハラ砂漠で、国土の4/5を砂漠地帯が占める「砂の国」。

最大民族は「ハウサ族」と言い、国民の4割ほど。ニジェール南部の人口密集地からナイジェリア北部にかけて居住する。他に、北部の砂漠地帯には遊牧民族トゥアレグ族(上述)が多くいる。宗教は8割以上がイスラム教のスンニ派

 

 

今回は内陸でしたが、次回・次々回は海沿い(ギニア湾沿い)を紹介していきます。「アッパーギニア」「ロワーギニア」と2回にわけていきます。

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世界193か国をひとことで解説 アフリカ北部・後編 マグリブ編

こんばんは、さこです。今回はアフリカ北部後編のマグリブ諸国の紹介です。

 

マグリブとは、アラビア語で西を意味し、エジプトより西にあるアフリカ北西部の地域のこと(前回のナイル本流編参照)。白人圏で、イスラム教が普及していることが主な特徴。

これと区別して、サハラ砂漠以南をサブサハラと言う。サブサハラはアフリカのイメージ通り黒人であるのに対し、マグリブは中東方面からやってきたアラブ人や、モロッコチュニジアに昔からいて(主に)白人のベルベル人などが居住する。アラブ人とベルベル人は混血が進んでおり、アラブ・ベルベル人という分類をしたり、「ムーア人」と言ったりする。今回のほとんどの国は、国民の99%がこの民族であたる。

大陸ヨーロッパ諸国と地中海を挟んですぐ近くにあり、フランスなどの植民地になった。ただ、ブラックアフリカの国よりも先んじて独立している。

外交関係もあり、「マグリブ連合」という共同体もある。

 <マグリブ 93.~97.  7カ国>

93. リビア カダフィ大佐

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画像:カダフィ大佐(ウィキメディアコモンズを通じアメリカ合衆国海軍より)

長年にわたって「カダフィ大佐(カッザーフィ)」という独裁者が支配していたリビア。「アラブの春」で近年民主化し、カダフィ大佐は殺される(第一次リビア内戦)。しかしその結果、新体制を築こうとする勢力が林立し内乱が発生し逆に政治は不安定となった。その概観をみると

 

リビア内戦カダフィ vs 反体制  →NATOの介入によって反体制の勝ち

しかし、新体制はガタガタに。世俗派とイスラム原理主義で対立。原理主義にISISが加わり、旧カダフィ体制の残党も参加。

 

リビア内戦② 旧カダフィ vs 世俗派 vs ISIS  →一時はISISに国土の大半を支配される→ISISを駆逐し政治対立も妥協し徐々に復興へ

 

  旧カダフィ政権の支持者を中心に、「カダフィ大佐実はいい奴だった説」もある。その根拠として、積極的な経済政策、砂漠が広がるラビアの国土に世界最大の灌漑施設を建設するなどをしたことなどがある。一方で確かに、露骨な反米や凡アラブ主義といった原理主義的態度から、カダフィ政権時代のリビアはアラブの中を含め国際的に浮いていた。ちなみに、カダフィ政権と日本との関係は良好だった。          

紛争によって実質GDPは最盛期の7分の1にまで落ち込む。復興を遂げている最中で、2017年の実質GDP成長率は64%と世界一。(IMF2017)

公式の最高気温で世界一(57.8℃)を記録したりと、暑い国。

数少ない旧イタリア植民地である。公用語ではないが、イタリア語も現在少し通用する程度。

旧イタリア植民地、アラブで唯一イタリア語圏?

 

94.アルジェリア アフリカ最大面積

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右:フィリップ・ド・シャンパーニュによるアウグスティヌス肖像画

アフリカ最大面積*1。地中海に面しており、90%が海岸沿いの地域に住む。海岸の少し内陸にアトラス山脈があり、その向こうには広大(世界一)なサハラ砂漠が広がる。人口は日本の1/3の4000万人しかいない。

アルジェリアはフランスから地中海を渡ってすぐ南にあり、旧フランス植民地であることから、フランスの移民になっている者が多い。国土がフランスの4倍あることもあり、旧フランス植民地の中で最も存在感のある国。フランス語人口がアラブ一多い。

独立後西洋化の反動からアラブ人中心の国作りに傾倒し、ベルベル人からその反発を受ける。1991年からのアルジェリア内戦、2010〜2011年のアルジェリア騒乱など、紛争も割と多い。西サハラ(後述)をめぐってモロッコと戦争したこともある。

ロッコとともにベルベル人が多く、ベルベル語も根付いている国。フランス語・アラビア語ベルベル語トリリンガルは珍しくない。

アルジェリア出身の有名人として、紀元前に活躍した「アウグスティヌス」が有名である。彼はキリスト教神学の父と呼ばれ、「三位一体説」を唱える。詳しいことは知らん。

「ライ」という音楽があるらしい。

 

95.チュニジア カルタゴ

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画像:カルタゴ遺跡

チュニジアは紀元前に「カルタゴ」という都市が繁栄したところ。カルタゴとは、世界史では「カルタゴポエニ戦争にてローマに敗れ、ここから地中海におけるローマの覇権が確立される。」といった感じで登場する。カルタゴは、紀元前9世紀以降から、フェニキア人(参考.レヴァント諸国編のレバノン)が入植し、ここを中心に築かれた地中海の帝国。

イタリアとめちゃ近いが、旧フランス植民地。シチリア島から海峡(後述 95.モロッコ)を挟んだ南で、ジブラルタル海峡に次いでヨーロッパに近い。

首都チュニスには、カルタゴの遺跡のほか古代ローマ帝国時代の遺跡など多くが保存されている。長い歴史の中で商業都市として栄える。いくつもの文明の影響を受け、チュニスの建築群は世界遺産登録されている。これがインターネットを通じてアラブ世界に民主化運動が波及した一連をアラブの春と言う。アラブの春民主化した他の国と同様、その後政治・経済は逆に混乱した。一般にチュニジア人は芸術が好きらしい。

チュニジアで起こった民主化運動ジャスミン革命をきっかけに、アラブの春が発生する。青年の抗議の焼身自殺をきっかけに長期政権(ベン・アリ)が崩壊した革命。

スターウォーズ』に登場するルーク=スカイウォーカーの家はチュニジアにある。

チュニジア出身の人物として、イスラム世界の歴史家として有名な「イブン・ハルドゥーン」や、海賊バルバロッサがいる。

医療が発展していて、紛争で混乱したリビアから多くの患者を受け入れている。

 

96.モロッコ 極西

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左:北部の都市シャウエン(Image by motamid2006 on Pixabay)

右:モロッコベルベル民族「トゥアレグ族」の男性(ウィキメディアコモンズを通じChristopherより)

ジブラルタル海峡をたったの20キロほど渡るとスペインに行ける、非常にヨーロッパに近いアフリカ。エジプトから見てめっちゃ西にあるので「極西」の国とも言われたりする。

ロッコの最大都市「カサブランカ」は映画のタイトルにもなった美しい街で、マグリブでも最大の都市。

他にもインスタ映えする青い街「シャウエン」(画像)や、歴史遺跡が広がるマラケシュなどの有名な都市がある。

ロッコ人は「タルブージュ」という赤い帽子を被っているのが特徴。モロッコにはアラブ人もいるが、ベルベル人が世界で1番多い(人口の半数)地域であり、アラブ語・ベルベル語・フランス語のトリリンガルであることが多い。アラビア語は突出して方言がきつい。また、ベルベル語を正式に公用語としている唯一の国。

ベルベル人の人種は白人・黒人と様々あるが、共通の文化を持つ。「ベルベル」というのは「よくわからない言葉」という意味で、あまり好ましい言い方でないらしい。正式には「アマーズィーグ」というらしい。

特筆すべき産業はリン。生産は世界3位、埋蔵量世界一。埋蔵50兆トンで、世界の埋蔵量の75%を占める。

ハシシュ(大麻)の生産量世界一。ヨーロッパで所有される70%がモロッコ産。

アフリカ有数の漁業国で、アフリカ最大の魚市場がある。鰯の輸出では世界一。日本はタコの主要輸入先である。隣国でおなじ北大西洋海岸沿いのモーリタニアと合わせると輸入総量の75%になる。 

ロッコでしかとれない「アルガンオイル」は世界で最も高価な油。ヤギが木登りして葉を食べてる様子が見られる。それほど美味しいのか。

ロッコ料理は割と有名なものが多く、クスクスやミントティータジン鍋などが知られる。

海岸やや内陸にアトラス山脈が連なる。山脈より海岸側に行くと、豊かな土地が広がる。君主制を取っており、日本の皇室に次いで現存する2番目に古いロイヤルファミリー。

 

(補)西サハラ 砂の壁

  世界地図を見ていると、アフリカの北東に不自然な白い地域がある。そこが西サハラである。

この「サハラ・アラブ民主共和国(SADR)」は事実上独立国となっており、アフリカ連合は国家承認している。モロッコはこれに反発して最近までAU(アフリカ連合)を脱退していた。国連は世界一人口が多い無政府地帯としている。また、この地域のモロッコ領土所有を認める国はない。

もともとはスペイン領で、スペインが去ってから領土問題が発生。当初はモーリタニアと争っていたが、途中から独立したくなった

実効支配は海岸沿いをモロッコが、内陸をSADRがしている。そのため海洋資源はモロッコが独占。その国境は「砂の壁」という。

 

97.モーリタニア 黒めのマグリブ*2

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画像:モーリタニア人の少年たち。混血ぐあいで肌の色がやや異なることがわかる。(ウィキメディアコモンズを通じFerdinand Reusより取得)

モーリタニアマグリブの国だが、北アフリカでなく西アフリカに区分されることが多い。白人が多いマグリブ諸国のなかで、一番黒人が多いブラックアフリカに近いマグリブである。ムーア人:黒人:混血の割合がそれぞれ3:3:4。アラブ・ベルベル人(ムーア人)は人口の3割しかない。しかし、その少数のムーア人が支配階級となる非対称な社会構造になっている。人種差別もある。

このような社会構造のなか、世界で最後の奴隷制が残る国とも言われる。公式には1981年に廃止されているが(世界で最後)、まだ4万人がいる(?)とされる。罰則ができたのは2007年。

他にも、太った女性がモテるとされる文化がある。幼い少女に強制的に食べさせる風習(ルブル)があり、人権問題になっている。ただし、統計で見た肥満率はさほど高くない。

あと、女子割礼の割合が高い(15歳以下の54%)。

少しネガティブな印象が強いが、ベルベル・アラブ・黒人が融合したような特徴的な民族性をもっている。服装も着物的なゆるい民族衣装を着ている。できるだけ少ない言葉で伝えたがる平安人的なポエマーな国民性を持っているらしい。

言語はアラビア語圏で、フランス語も第二言語として通用している(旧フランス植民地)。

地理的には、国土の90%がサハラ砂漠の、最もサハラ砂漠な国。非常に人口密度が低い国でもある(ワースト5)。

ロッコと同じくミントティーが有名で、国民的飲料になっている。

 

 

 

次回以降は10回にわたってサブサハラ(ブラックアフリカ)の紹介にはいります。次回は「西アフリカ内陸部」の3か国。

 

 

*1:南スーダン独立前はスーダンがアフリカ最大だった。

*2:「黒め」はあまり良い表現ではないかも。「DARKER」と捉えてください。

世界193ヶ国をひとことで解説 アフリカ北部・前編 ナイル本流

こんばんは、さこです。今回からついにアフリカの紹介に入ります。国連加盟国は54か国ありますが、12回に分けて紹介していく予定です。

アフリカは植民地時代の影響から作為的に引かれた国境が多く、ほとんどが相当の多民族国家です。国境が民族や文化とマッチしていないことが多く、国のカラーを表現するのには難儀する部分もありました。しかし、できるだけわかり易くまとめていきます。

今回はその走りとして北東部に伸びるナイル川本流にかかる2か国だけ紹介します。この地域はユーラシア大陸に近く、古代から文明が栄えた場所(古代エジプト文明)でもあります。

 

この二国は現代においても国際関係上に重要な立ち位置におり、その点を重点的に見ていくことで今後のアフリカ全体の相互関係の理解にも役立つと思っています。

 

〈アフリカ北部 ナイル川本流 2か国〉

91.エジプト アラブ連盟の盟主

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エジプトと言えば、『遊戯王』に出てくるような、ピラミッドやらネフティスやらミイラやらのイメージだが、あえて現在のエジプトの特徴を前面に。現在のエジプト人古代エジプトとは人種が異なり、アラブ人である。アラブ世界で最も人口が多いアラブ最大の国家である。また、ほとんどのアラビア語映画はエジプトで作っているなど文化的影響力も強い。

21か国が加盟するアラブ連合の本部を首都カイロに置き、アラブ諸国の独立の旗振りをした。とくに4度に渡る中東戦争ではアラブを代表してイスラエルと激しく対立する。中東戦争で敗北すると共和制国家になる。

アラビア半島からアフリカ北部に広がるアラブ世界のちょうど真ん中に位置する。エジプトから見て東を「マシュリク」、西を「マグリブ」と言う。アフリカとユーラシア大陸を繋ぐ地域でもあり、地政学上も非常に重要な場所。とくにスエズ運河は紅海から地中海を繋ぐ世界三大海峡の一つ。かつては、スエズ運河建設をめぐって負債を抱え、イギリスに実質的に支配された。今のエジプト人も旧イギリス植民地のため英語は割とできる。

アフリカでも人口3番目の大国。軍事力はアフリカでもトップ。しかし、2011年にエジプト革命以降、政治は混乱気味であり、経済的にはあまり豊かでない。

産業でいうとエジプトは世界で最も鉱業がさかんで、国民4人あたり1つの鉱山がある。

農業では、生産量1位のナツメヤシ(デーツ)は、中東やアフリカでは主要な食品。また、これまた世界一の生産を誇る「アーティチョーク」も日本人には馴染みがないが、ヨーロッパでは一般的な野菜。

世界一長い川ナイル川のデルタ地帯に99%の人口が住んでいる。1億人が5%の地域に密集している、過密の国。

多くの戦争を経験し、世界一地雷が埋まっている国(2300万個)。

 

92.スーダン 2つのアフリカの境界

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アフリカはサハラ砂漠を境に、イスラム教のコーカソイドが居住する北部と、黒人が居住しブラックアフリカと呼ばれる南部と「2つのアフリカ」に分かれている。これは、巨大なサハラ砂漠によって文化圏が大きく分かれた結果のもの。しかし、ナイル川によって居住地区が広がり、北部のアラブ世界と南部のブラックアフリカが繋れた。その場所にあるのがスーダン。首都ハルツームは、白ナイルと青ナイル(注)の合流地点にある。

スーダンの人種はアラブ系が四割、黒人との混血が五割となっている。一方宗教はイスラム教が七割、アニミズムが25%くらいいる。このように、2つのアフリカが混じり合いっているのがスーダンの特徴。

一方で、政府はアラブ連盟に所属しており、イスラム教より。この関係から、非アラブ系を中心とした独立運動が世界でもトップクラスに多い地域である。世界で一番最近に独立した国「南スーダン」はその代表格。ちなみに、南スーダン独立までのスーダンはアフリカの最大面積を誇った。その他にも、現スーダン南西部でも紛争が継続している(ダルフール紛争)。

ナイル川を共有するエジプトは、かつては1つの国だったこともあり関係は深い。古代には「ヌビア」といわれた地域にあたり、エジプトよりもたくさんピラミッドがあるらしい。

 

 

 

次回は引き続きアラブ世界のアフリカ、マグリブ諸国です。

 

[次回以降の予定(アフリカ)]

北アフリカ 2回(ナイル本流・マグリブ)

→西アフリカ 3回

→中部アフリカ 1回

→東アフリカ 3回

→南部アフリカ 1回

→アフリカの島国 1回

計11回に分けて紹介

 

世界193ヶ国をひとことで解説 西欧編

 どうも、「2月中にはヨーロッパ終わります」って言ってたさこです。1週間ぶりです(´◉◞౪◟◉)。

…ダメでした。すいません

 

ヨーロッパ編はやっとこさ終わりです。ラストは西欧。イギリスとフランス+2か国です。

イギリス、フランスといえば、近代史の主人公ですね。植民地帝国はトップ1と2でした。いまでもなんぼか海外領土を持っています。まあ、前置きは軽めで。

 

 (西欧 3か国)

87.イギリス(UK) かつての大英帝国 

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紳士の国イギリス。

産業革命の発端であり、今私たちが生きている近代文明はイギリスから始まった。この企画は世界史ではないのであまり深入りしないが、18・19世紀の覇権国家イギリスが世界に及ぼした影響はあまりにも大きい。世界中に植民地帝国を広げ、まさに「太陽が沈まない国」であった。その頃は人口、GDPももちろん世界一。

「イギリス」と言うのは日本人のみで、「ユナイテッド・キングダム(United Kingdom)」と言う。連邦王国。イングランドスコットランドウェールズ北アイルランドの4つの州からなる。ユニオンジャックの旗は、イングランドスコットランドアイルランドを合わせたやつ。ウェールズ(ドラゴンの旗)だけハブられてる。

それとは別で、旧植民地を中心に「英国連邦(コモンウェルスと言うことも多い)」という共同体を形成している。インド・オーストラリア・カナダなど53か国が加盟している国家連合。

そんな国家連合があったりして、イギリスは未だ先進国である。経済の面では、とくに世界金融危機の以後、ロンドンのシティはウォールストリートを抜いて世界最大の金融センターとして返り咲いた。超富裕層世帯はアメリカに次ぐ2位。しかし、最近EU脱退を決めてから若干勢いが減っている。ちなみに、ユーロはもともと導入してない。

イギリスの有名企業を挙げると、掃除機のダイソン、ダンヒルバーバリーボーダフォン(通信)、アングロアメリカン、世界最大の広告代理店のWPP、会計ビッグ4の一角EYやPwCがある。

車でいうとジャガーベントレーロールスロイスはイギリス車。ちなみにイギリスは日本と同じ左側通行で、旧イギリス植民地は左を走ることが多い。

経済力の他、軍事力も強い。世界最大の民間軍事会社「G4S」はイギリスにある。国連安全保障理事会の1国。核も持っている。

政治の面では、イギリスの特色は立憲君主制(エリザベス女王)であるのはもちろん、「議院内閣制」と「不文憲法」。イギリスでは、18世紀の初めごろ世界で最初に議院内閣制を導入する。現在の日本も議院内閣制をとっているが、もちろんイギリスをモデルにしたもの(相違点はいくつもあるが)。不文憲法については、イギリスは成分となった憲法は存在せず、いくつもの法律・判例・慣習法などを集合して憲法を構成する。

文化の面で特筆すべきは小説と音楽。文学はシャーロックホームズやハリーポッター、音楽はビートルズやオアシスが特に有名。もっと昔でいうとシェイクスピアもイギリス人。あと、映画だが007シリーズはイギリスの象徴。

紅茶は美味しいが、飯はまずいというステレオタイプがある。有名なのはローストビーフ、マッシュポテト、フィッシュ&チップス。日本のカレーはイギリス式。

88.アイルランド ケルト

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画像はケルト十字

イギリスの東にあるアイルランド島の5/6を占めるアイルランド共和国

世界史的にはアイルランドといえばイギリスの英国国教会にたいしてカトリックである、という位置づけであるが、彼らの実際の民族アイデンティティは「ケルト」である。ケルトはローマやカトリック協会の隆盛の以前から大陸欧州で力を持っていた民族。詳しいことは知らんが、画像のケルトクロスのイメージしてもらえると分かる人には分かる気はする。

文化はレプリカント、リバーダンスのほか、アイリッシュパブが有名。黒ビールの代表格であるギネスビールはアイルランド発祥である。ビール文化は切っても切り離せないもので、聖職者であってもビールを飲むというほど。最古のパブもある。

EUで最が出生率が高い。人口の19%が15歳以下の若者が多い国。

イギリスはかつてアイルランドを植民地支配(?)しており、隣国イギリスとの関係は今もあまり良くない。その象徴的なものはイギリス領となっている北アイルランド。基本的に北アイルランドも自国領と考えている。割と最近まで、アイルランド共和国軍(IRA)による独立運動が激しくあった。

アイルランド語と英語は全然異なる。多くのアイルランド人は英語とのバイリンガル。長年イギリスに支配されていて、その間が英語が奨励された。そのため若干普及率が低くなっている。

イギリスはアイルランドの雨影になっており、アイルランドは降水量がめちゃ多い国。

緯度はカナダとかと同じくらいであるのに温かい。

 

89.フランス フランス革命

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ウジェーヌ・ドラクロワ民衆を導く自由の女神

アートとファッションの国フランス。ルイヴィトン、シャネル、ディオール

フランス革命は社会科学を勉強していると何度も出てくる、人権という概念の基礎になった出来事。フランス革命のあとはナポレオンが暴れた。西洋列強の一角であり、フランス語話者人口の多さは、かつての植民地帝国の広さを表している。今でも海外領土を多数持っており、本土の事をヘキサゴン(やや6角形に見えるから)、海外領土のことをドムトム(DOM-TOM) という。南極も一部領有権を主張(アデリーランド)。アデリーランドを含めると排他的経済水域の広さは世界一、除いてもアメリカに僅差に迫る2位である。

本土だけでもEUで最大の面積がある。全域に川が流れ、肥沃な土地と恵まれた気候。ヨーロッパ屈指の農業国である。世界史では「混合農業」とか習う。とくに有名な産品は、チーズとワイン。チーズの消費総量で世界一。国中にいろんな種類のチーズがある。ワインは生産量でイタリアに次ぐ2位、消費量でもアメリカに次ぐ2位。

フランス料理と言えば、世界三大宮廷料理と言われている。その特徴は、本当にいろんな生物を食べる(エスカルゴとか)こと。ヨーロッパで最も昆虫を食べる国。日本と似て、生食が好き(カルパッチョとか)である側面も。

農業に対して工業に関しては航空が強い。航空用語はフランス語がスタンダードなほど、フランスは航空の中心である。飛行機メーカービッグ2の片割れエアバス社がある。あと、自動車でいうとルノー

観光も一大産業であり、世界一観光客数が多く(年間8000万人以上!)、人口より観光客の方が多い。

原子力発電の供給量割合が世界一。全発電の76.3%を占める。

イギリスとは友達のような敵のような(frenemyという)、日本と韓国的な関係である。第二次大戦前のライバルはドイツだったが、今はすごく仲良い。

旧フランス植民地が中心に設立した、フランコフォニー国際機関という、84の国と地域が加盟する機関がある。ただし、現在はフランス語圏以外の国も参加している(韓国など)。

 食品ロス対策の先進国で、2016年にスーパーマーケットに対し食品廃棄を罰する法律を作った。すべての食品は寄付等に回される。

働くのが嫌いな国民性で、ストライキが世界一多い。

 

90.モナコ 金持ち

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フランスの地中海沿岸、「コートダジュール州」の一角にある超ミニ国家。海岸沿い4キロだけが国土(面積2.02㎢)で、1時間で端から端まで歩ける。国連加盟国の中で1番小さな国(バチカンよりはでかい)で、世界一人口密度が高い(2万人弱/㎢)。そして、金持ちである。「モナコでは億万長者でもボディガードを雇わなくていい。億万長者がそこらじゅうにいるから。」というほど。人口あたり名目国民総所得(GNI)は1869万円。

 経済はタックスヘイブンと観光によるものがほとんど。企業の3/4が外資所得税、不動産税はないが、付加価値税(消費税)は20%ある。モンテカルロという有名なカジノがある。

1㎡あたり4500ドル(45万)と、地価は世界一高い。

人口の中のモナコ人は2割ちょっとで、フランス人の方が多い。モナコ語というのもあるが、絶滅に瀕している。

君主制の国で、伝説的ハリウッド女優のグレース・ケリーが前大公の妃であった。

モナコで有名なものと言えば、カーレースのモナコグランプリである。レースの他にも毎月ほどなにかしらのイベントがある。国際マラソンや皇族のパーティなど。

 

 

書いてから見ると、記述長すぎわろた。ひとことでもなんでもない。

まあ、イギリス、フランスはネタ大すぎってことで・・・

改善していきたいのでよければ色々指摘してください。 

 

次回からはアフリカの55か国を紹介13回に分けて紹介する予定です。

更新滞ってますが、ぜひまた読んでみてください。

世界193ヶ国をひとことで解説 南欧編

こんばんは、さこです。お疲れ様どす。今回は陽気なイメージのラテンの国についてひとことで紹介します。

 

南欧、というとだいたい地中海沿岸のヨーロッパのことを指す。「ラテン」というイメージとほとんど一致する国々である。「地中海性気候」と言われる、一年を通して温暖かつ乾燥し気候で、オリーブや葡萄(ワイン)の生産に適している。

その意味では、すでに紹介したバルカン半島ギリシャ南欧に含まれる。これらの国は共通点が多い。ギリシャを含めて、イタリア・スペイン・ポルトガルの4カ国はかつて大帝国だった。一方で、いずれの国も経済は近年低迷している。頭文字をとって「PIGS(ブタ)」といい*1EUのお荷物扱いされている。

また、いずれもカトリックが主流という共通点もある。歴史的にも、カトリックとしての活動で存在感を示す。

こういった共通点も考慮に、6か国+αを紹介してみた。ただし、以前「バルカン半島 後編」で紹介してしまったので、今回はギリシャを除いた南欧諸国を紹介する。

 

81.イタリア 古代ローマ帝国

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  かつて古代ローマ帝国があり、世界遺産が世界で一番多い国 (51個)。ちなみに、神聖ローマ帝国は別物であるので注意。

地中海の中心に位置するイタリア半島と、350の島からなる。主な島は、世界史ではイタリア独立の立役者である「サルディニア島」と、レモンで有名な「シチリア島」の2つ。イタリア半島の中央を走るアペニン山脈によって東西に分かれる。火山が多く、紀元前に噴火したポンペイの話は有名。自然も豊かで、ヨーロッパでは最も動物が多様な国らしい。

地方による文化の差異が大きく(地域主義が濃く)、国としてのまとまりは薄い方である。古代ローマ以降はヴェネツィアやらローマやらと言った都市国家が栄え、イタリアという国が出来たのもわりと最近(1861年)。方言が激しく、意思疎通の難しさからイタリア人はジェスチャーが多くなった(ボ~ノ~😋☜ みたいなやつ)。南北の経済格差も大きい(南北問題)。北部がより豊かで、マフィアのイメージは南である。

歴史でいうと、もう一点イタリアを代表するものは「ルネサンス」である。上述の都市国家が栄えた14世紀~16世紀の「ギリシャ・ローマ時代の古典文芸を復興する」運動である。この時代にレオナルドダビンチやミケランジェロといった芸術家や、マキャベリなどの学者が生まれる。

一方、帝国主義産業革命には乗り遅れた方で、第一次(同盟国)も第二次(枢軸国)も戦争では負けチームに所属。某漫画ではヘタレ扱いされている。

19、20世紀に史上最大クラスの移民排出国になる。ヨーロッパ各地、南北のアメリカに移住。アメリカ(USA)では「新移民」と言われ、映画の「西海岸物語」や「ゴッドファーザー」の背景になる。ハリウッドスターにもイタリア系の人が多くいるのはそういう背景がある。

歴史の話はこの辺で終わる。

今のイタリア人は、カトリックが多いがそんなに信心深くない。

産業でいうと、工業、特に奢多品が有名。フィアットランボルギーニフェラーリといった高級車ブランド、アルマーニ・ドルチェ&ガッバーナ・グッチ・プラダといったファッションブランドがイタリアのもの。

イタリア料理と言えば、パスタ・ピザ・ラザニア・ジェラート。ちなみにナポリにはナポリタンは無いらしい。

ガラスの製造に使われる長石の生産量世界一らしい。

 

82.サンマリノ 世界最古の共和国

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イタリア北東部にある内陸のミニ国家である。人口わずか3万人強で、8×13キロほどの国土。世界で5番目に小さい。国会の小ささや、自前の通貨を持たずイタリアに依存した各システムを見るとほとんど市ぐらいの感じ。国家とは何か。

1631年に時のローマ教皇が独立を承認し、世界最古の共和国になった。良い感じの街並みは残る、画像のような城塞都市になっている。

内陸とはいえ海にはほど近く、地中海性気候。

リヒテンシュタインと同様、切手が一定の財源になっている。簡単に入国でき、有料で入国スタンプを押してもらえる。これも国家財源の1つ。

人口あたりの自動車所有台数が世界一らしい。

ヨーロッパで初めて建てられた(神社本庁が承認した)神社がある。

 

(補)バチカン

国土・人口ともに世界最小の国として有名だが、国連に加盟しておらず、日本も国家承認していない。人口は1000人を切る。国土は0.44㎢。

 ローマ教皇庁によって統治されたカトリックの総本山。古くはローマ教皇の直轄地「教皇領」として存在し、イタリア統一で脅かされるが、ムッソリーニの頃に国家としての地位を盤石にする。

 ちょっと抽象的な言葉が多いのは、著者があんまりよく知らないから。

 

83.マルタ はちみつ色の城塞都市

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地中海の、シチリア島(前述)のすぐ南に浮かぶ3つの島からなる。人口は45万人強。

マルタストーンと言われるはちみつ色の石灰岩がとれ、国内の建物も多くがその石灰岩で作られる。どんな感じかと気になったら、ググって。

国全体が歴史博物館のようになっており、映画「グラディエーター」や「トロイ」もここで撮影した。要塞や古代の建造物など、観光する遺跡が多い。首都バレッタは都市全部が世界遺産として登録されている。2017年に国のアイコンである窓みたいな岩が潰れたらしい。

  冷戦の終結の舞台になる「マルタ会談」で有名。

マルチーズ(犬)の故郷。日本人のことをジャパニーズと言うように、マルタ人のことをマルチーズと言う。

マルタ語はフランス語とイタリア語とアラブ語が混じったような、欧州で唯一のセム系言語。ただしマルタ人の多くはバイリンガルまたはトリリンガルで、イタリアのテレビを見る。一方、ヨーロッパのなかで最も非識字率が高い(7%くらい)。

 

(補)マルタ騎士団

マルタ騎士団マルタ共和国とは別物の、「国家らしきもの」である。国連には正式に加盟していないが(オブザーバー国家)、約九十カ国が国家承認して外交関係を結んでいる。

特徴は、領土を持っていないこと。イタリアに事務所を持っているだけ。実際には医療活動などNGOに類した活動をしている。

歴史的に十字軍の部隊として誕生したらしい。よくわからんお。

マルタ十字がトレードマーク。

 

84.スペイン 16世紀の覇権

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Cornelis Claesz van Wieringen作 「イングランド沿岸を航行する無敵艦隊

1500年前後のいわゆる大航海時代は、スペイン・ポルトガルの覇権時代とも見れる。*2 。とくに南米に広い植民地を持っていたので、現在でもブラジル以外の南アメリカの大部分はスペイン語圏である *3。一方、アジア・アフリカに旧スペイン植民地はほとんどない*4スペイン語は20か国で公用語になっており、世界で4番目に話者数が多い(4億人以上)。

このような植民地の分布は、1494年のトリデシャス条約によって、地球をブラジルの東の国境あたりで2つに区分したことから由来する。東側をスペインの取り分、西側をポルトガルの取り分とした。

コンキスタドール」と言われる南米征服では、南米の文明をほとんど滅ぼす。

特に、ハプスブルク家の「フェリペ二世」*5の頃が最盛期であった。この頃の海軍を無敵艦隊(アルマダ)と言う。

現在のスペインであるイベリア半島大航海時代以前、長くイスラムに支配されていた。イスラム文化西洋文化に融合して、パエリアなど特色的な料理ができる。イスラム支配のため、大航海時代もスペインはポルトガルに遅れをとるが、1549年のコロンブス*6アメリカ大陸発見により大きく追い上げる。

第二次世界大戦時のスペインは「フランコ将軍」のもと独自のポジションで、政治学的に「権威主義体制」と呼ばれる独裁体制だった。ピカソの絵「ゲルニカ」は、フランコの軍事行動を描いたもの。フランコ政権は第二次大戦後もしばらく(1975年まで)続く。

現行経済はPIGSの一角で芳しくないが、欧州最大の漁業国であり、オリーブ生産量は世界一。ちなみに、ZARAはスペインのものである。

スペイン人は、背はさほど高くないがモテるらしい。パッションの国のイメージがある。闘牛、フラメンコ、カスタネット。あと、「僕のヒーローアカデミア」の「プルスウルトラ」はスペインの国是である。

地域主義が強く、スペインは特に独立運動が盛んである。かつてはバスク自治州で激しく独立運動があった。現在はカタルーニャ州の独立問題を抱えている。

年に一回、トマトで雪合戦する「トマト祭り」がある。

 

85.ポルトガル 南蛮人

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狩野内膳 「南蛮図屏風」

日本に初めて接触した西洋の国はポルトガルだった。キリスト教(カトリック)*7、銃を伝える。日本人は彼らを「南蛮人」と呼んだ。南蛮人はもちろんスペインも含むが、日本に与えた影響はポルトガルが大きい。というのは、前述のトリデシャス条約によりアメリカ大陸の東側へはポルトガルが勢力を伸ばしていたから。日本ではこの影響で、ポルトガル語源の言葉がいくつもある。パン・ブランコ・ビスケット・ボタン・かるた・金平糖・襦袢…と多数にわたる。さらに言うと、南蛮人が伝えたキリスト教を保護し、銃を利用して力を手にしたのが織田信長であった。

日本の他、中国にも最初期に接近し、アフリカ・アジアのいくつかの国は植民地になっている。そもそもスペインに先んじて大航海時代に突入しており、世界最初の近代帝国であると言う見方もある。以上のような大航海時代を経て、アフリカ諸国やブラジルなど、世界中でポルトガル語圏は点在しており、ポルトガル語諸国連合(PALOP)を形成したりしている。ポルトガル語は9か国で公用語になっており、世界で6番目に多い言語(2.5億人)

1975年に植民地を一気に失って、経済は大混乱に至った。

スペインとは同君連合を組んでいたことも多く、関係は深い。言語はスペイン語と似ており、3割くらい通じる。イギリスとは、1373年から「英葡永久同盟」を結び、現在まで続く世界最古の同盟関係。

エッグタルトの発祥。

消臭力のCMの背景にある「ミゲルの丘」がある。

 

86.アンドラ ピレネー山脈のミニ国家

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フランス・スペイン国境ピレネー山脈の中にある、人口8万人弱のミニ国家である。国土は500㎢弱。国旗もフランスとスペインの国旗を併せた、青・黄・赤のカラーリング。このフランス・スペインとの関係がアンドラの特徴。

山が多いため人口密度も低く、国内に飛行場・港・鉄道駅のいずれも存在しない。山道を車で行くしか入国手段はない。経済は金融部門に依存しており、かつてはタックスヘイブンの国だった。

国民は住民のうちわずか3割で、隣国スペイン・フランスから多く移住してくる。公用語カタルーニャ語で、スペインからの影響がより大きい。ただし、住民の多くはマルチリンガルになる。

特筆すべきはその政治体系で、フランス大統領と、スペインカタルーニャ州ウルヘル地方にいるカトリック司教とが共同で国家元首を務める、世界で唯一無二の二頭政治システム。

 

(補)ジブラルタル

アフリカとイベリア半島を隔てる小さな海峡をジブラルタル海峡と言うが、ここにある島。地政学上きわめて重要な場所にあり、「地中海の鍵」と言われている。

公式には英国領(イギリスの飛び地)だが、スペインとの領有権問題がある。

人口は3万人強。

 

 

更新がいろんな意味で遅くなりました。次回でヨーロッパはラストです。

コメント・☆・読者登録お待ちしてます。

*1:アイルランドを加えてPIIGS、イギリスも加えてPIIGSSと言うこともある

*2:ただし、実際はもっと広い目でみるとイスラム世界や中国の方が文明・経済のレベルで発展していた

*3:ヒスパニックと言う

*4:例外はフィリピン・赤道ギニア西サハラ

*5:ちなみに、「フィリピン」はこのフェリペさんの名前に由来する。

*6:コロンブスはスペイン人でないが、スペインの支援で航海する

*7:ただし、フランシスコ・ザビエルはスペイン人

世界193ヶ国をひとことで解説 ベネルクス編

ちょっと日が空きました、お久しぶりです。さこです、月曜日お疲れ様です。今日はベネルクスを紹介します。

なお、これまで「ベルネクス」と言っていましたが、「ベネルクス」でした。

 

 

ベネルクスとは、ルギー・オランダ(ーデルラント)・ルクセンブルグの3か国のこと。ヨーロッパの真ん中らへんに位置するこの3か国は、小さな国ではあるものの経済力や政治力が強力な国たちである。

多民族の国が多く、公用語が複数あって、多言語でコミュニケーションすることが多い。そういった背景から政治的にも利害が分かれやすいのだが、「ネオ・コーポラティズム」と言われる政治システムでうまく統合し、社会科学の分野でも注目される。多民族の統合は、EUにとっても模範的。それゆえか、EUの機関の本部が多くこのベネルクス3か国に集まっている。EU原加盟国と言われている6か国は、ベネルクス3か国とドイツ・フランス・イタリア。

ちなみに、いずれの国も安楽死を認めているという特徴がある。

 

歴史的、あるいは国際的な存在感とかに注目しながら見ていきます。

 

<78.~80.>

78.オランダ(Nederland) 17世紀の商業覇権

f:id:ksy302014:20190225192433p:plainf:id:ksy302014:20190225192432p:plain左:オランダのイメージ  右:オランダ帝国(クリエイティブコモンズから取得)

英語やオランダ語では「ネーデルラント(Netherland)」で、「オランダ」といっても通じない。オランダとは「ホラント州(Holland)」という1地域の名前である。

ネーデルラント」 は低地の国という意味。国土の多くが「ポルダー」と呼ばれる干拓地でできており、国土の1/4が標高0メートル以下。ハウステンボスみたいなチューリップや風車のイメージが一般的だが、それらは地理的特質を背景とする。

世界史では、「ゴイセン」と呼ばれるプロテスタントカルヴァン派が中心となってスペイン帝国から独立し、最先端の商業で興隆したとされる。世界最初の株式会社である「オランダ東インド会社」を中心に、インドネシアなど、巨大な植民地帝国を築いた国。英蘭戦争で敗れるまでの18世紀の世界はオランダの覇権だったと見る人もいるほど。ちなみに、世界最初のバブル(チューリップバブル)もオランダで発生した。

そのオランダ帝国の特徴は、自らが反カトリックの国として独立した経緯もあり、思想・信条に寛容であったことが挙げられる。例えば、インドネシアは現在もイスラム教国であるが(東南アジア編参照)、オランダ植民地時代からイスラム教を積極的に普及させていた。また、鎖国している江戸時代の日本が唯一国交していた欧米の国であるのは、スペイン・ポルトガルと異なり布教活動をしなかったことが理由の一つ。

江戸時代まで、日本ではオランダ語西洋文化を取り入れる窓口として機能し、「蘭学者」と呼ばれる実務学者がいた。黒船来航のあとの、開国の際もオランダ語通訳を通じて交渉した。

現在でも、非常に小さな人口・国土ながら、優位な立地を活かし経済大国の面影を残している。輸出総額は世界5位。フィリップス、ユニリーバハイネケンロイヤルダッチシェル、KPMGなどのブランドはオランダ企業のもの。天然ガスが出る資源輸出国でもある。

驚くことに、アメリカに次ぐ世界2位の農業輸出国。「スマートアグリ」というICTを利用した効率的な農業システムを導入している。有名なのが園芸農業で、世界最大の花市場「アールスメール花市場」は世界の花の4割という占有率を誇る。

また、他国では違法とされていることを合法とした上で、政府によって管理・整備するという、合理主義的政策を取り入れていることもオランダの大きな特色。売春が合法で、「飾り窓」と呼ばれる売春街が有名。麻薬にも比較的寛容で、ソフトドラッグの法規制が緩い。アムステルダムには大麻専用の「コーヒーショップ」がある。

国際法の父グロティウスやアンネフランクといった有名人がいる。

男性の平均身長183センチの巨人の国。

 

79.ベルギー EU本部

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左はワッフルです。 右はEU

ベルギーの首都ブリュッセルにはEUの本部がある。その背景の一つに、ベルギーがもともと多民族共生の進んだ国であることが考えられる。

ベルギーは、フランスから独立した「ワロニア地方」と、オランダから独立した「フランダース(フランデレン)地方」がからなる。話される言語も地域ごとにそれぞれフランス語・オランダ語で、ドイツ語を喋る少数の民族と合わせて、3つの言語グループで政治を構成している(ネオ・コーポラティズム)。南北の経済格差が社会問題になっており、北部のフランダースが豊かである。

世界史的には、オランダが商業で興隆したのに対し、工業で興隆したのがベルギーである。大陸ヨーロッパで最初に産業革命を起こし、近代のスタートはフランス・ドイツより早かった。かつてのプロイセン憲法はベルギー憲法を参考にしていた。ちなみに、日本銀行のモデルはベルギー国立銀行コンゴとその周辺に植民地を持つ帝国主義国でもあった。

なかでも有名なのがダイヤモンド産業。アントワープでは研磨技術が開発され、世界のダイヤモンド産業の中核として栄えた。現在でも研磨産業では世界シェア3位であり、国全体の輸出の10%にのぼる。

隣国オランダとは共通点が多い。ただしベルギーは、カトリックを中心に(プロテスタントの)オランダから独立した国で、現在も人口の3/4がカトリックである。オランダとの国境付近には、国境が入り組んだ街がある。

フライドポテト発祥(諸説あり)。ほかにもワッフル、チョコレート(ゴディバ)などの食べ物が有名である。世界最大のビール会社もある。

ドイツと国旗が若干似てる。

自転車競技の強豪。

 

80.ルクセンブルク 一人あたりのGDP世界一*1

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左:ルクセンブルク市  右:アルセロール・ミタルのロゴ

ベネルクスの中でも1番小さな国であるが、90年代以降に急激に経済力を手にしているのがルクセンブルグ

世界一かどうかは統計による(というか、ミニ国家をどれだけランキングに入れるか)が、一人当たりGDPは非常に高い。モナコ・香港・澳門リヒテンシュタインには劣る。購買力平価でみてもカタール(中東後編を参照)に次ぐ2位。

アルセロール・ミタル」は、世界1の鉄鋼のガリバー企業で、ルクセンブルクアルセロール社がオランダのミタル社に敵対的買収された企業。ただし、1970年以降鉄鋼産業は徐々に衰退してきている。

ルクセンブルクの経済力の源泉はタックスヘイブンなどを利用した金融である。外国人が銀行口座を作れる国で、スイスと同様に外国企業の本社・欧州支社が多数ある。ちなみに、お互い内陸国であり共通点も多く、ミニスイスと言う人もいる。しかし近年、OECDEUの圧力で、タックスヘイブンとしての利点をいくつか失っている。

外資受け入れが盛んなことから、対外債務が非常に多い国。対GDP比6900%と驚異的でダントツ世界一。

国民は9割弱がカトリック。フランス語・ドイツ語・ルクセンブルク語の3つが公用語ルクセンブルク語はドイツ語に近い。文化面ではフランスとドイツの影響を大きく受けている。何故かは知らんが、ポルトガル人が多く住む(17%)。

世界で唯一の国家元首に「大公」を置く国である。

 

 

 

オランダの書きたいネタが多すぎて、尻すぼみな感じになってしまいますた。

ちょっと更新滞ってましたが、今週中にヨーロッパは網羅できます。

次回は南欧です。

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*1:統計による。2017年IMFの統計によると190か国中世界一

世界193ヶ国をひとことで解説 北欧編

更新が1日空きましたが、皆さんは元気ですか。僕(さこ) は元気です。今回は北欧です。

 

スカンジナビアの3カ国とデンマークアイスランドを含めた5か国を、一般的に北欧に分類する。

 

国民所得が高く、高負担・高福祉の福祉国家が多い。日本でも福祉政策の議論の際には、モデルとしてしばしば北欧をモデルに挙げることがある。いずれの国も消費税は20%を超えるほか、物価も高い。

これらの国はデンマークを発祥とするバイキング(後述)を祖先とする民族が多いが、スカンジナビアの北の方にはサーミ人と呼ばれる先住民族(黄色人種)もかなりの数いる。関係あるかどうかは知らんが、北欧5か国はみんな国旗が十字っぽい似たようなデザインになっている。バイキングの事を知りたければ、漫画「ヴィンランドサガ」がおすすめ。読んだ事ないけど。

 

そんな感じで前提はこの辺に、豊かで良いイメージが多い北欧5か国を紹介していきます。今回の国々はネタが多くて、どれを中心に添えるかで迷った。

 

73.ノルウェー HDI世界一

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北海油田に含まれる、ノルウェーのエコーフィスク油田(ウィキメディアコモンズを通じBoHより取得)

北欧の中でも特に豊かな国ノルウェーは、所得・教育水準・健康などから算出される「人間開発指数(HDI)」が世界一の国(2018)。福祉国家として先進的なモデルを持つうえ、海上で石油も出る為国民の所得が非常に高い(平均年収1000万とか)。北欧の福祉国家経営はノルディックモデルともいわれる。ただし、物価や税金もかなり高い。

ノルウェーはイギリスに次いで北海油田の開発し、世界有数の産油国である。北海油田採掘は半国有企業が経営し、ノルウェーの財政を支えている。

産油の他には漁業がさかんで、サーモンはよく日本へ輸出される。また、日本とともに捕鯨文化のある主要な国。

大国に依存しない独自外交を展開し、北欧で唯一EUに加盟していない。ノーベル平和賞だけはノルウェーで授与される。GDPに占める政府開発援助(ODA)の割合が最も高く、GDPの1.07%。

乗る上―(ノルウェー)と言うだけあって、一番北にある。北部の海岸沿いを広がる「オスロフィヨルド」は、地理学的に厳密にはフィヨルドでない。

冬季五輪が鬼強く、アメリアやロシアを抜いてメダル獲得総数世界一。その理由でもあるノルディックスキーは特に強い。

 

74.スウェーデン バルト帝国

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スウェーデンは、実は国全体の人口・GDPともに北欧では頭一つ抜けている。首都ストックホルムは北欧の最大都市。

「社会科学の実験国家」とも言われ、高福祉政策などをいち早く取り入れて実行している。時には失敗することもある。金融については昔から先進地域で、ヨーロッパで最初に紙幣が発行され、世界初の中央銀行ができたのはスウェーデンである。

有名な企業も多い。ボルボは3点式シートベルトを発明したことで有名。ファッションのH&M、ソニーと資本連携したエリクソンIKEA(ただし現在本社はオランダにある)など。

北欧では、スウェーデンデンマークが二大勢力である時代が長かった。かつては「バルト帝国」という大国として席巻したこともある(16世紀)。バルト海に面するフィンランド一帯、エストニアラトビアまでを支配した。「グスタフ・アドルフ」王は世界史上でも有名。

「ヨーロッパ一、パーソナルスペースが広い国」と言われており、バス待ちの列で両手広げた分くらいの間隔を開ける。

世界一のユーチューバー(PewDePie)はスウェーデン人。 

世界一臭い食べ物である「シュールストレミング」がある。

ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの出生地であり、ノーベル賞授賞式が行われるところ。

 

75.フィンランド 学力世界一

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PISA学力ランキングでは世界一になった、学力世界一の国(2017)。スポーツでも、人口あたりの五輪メダル獲得数世界一の文武両道。

そんなフィンランド人はスウェーデンノルウェーと異なり、サーミ人の系譜とされている(ただし混血が進んで見た目はもろ白人)。無口でおとなしい人が多い一方、パンクロックが好き。映画「ドラゴンタトゥーの女」のイメージがまさにステレオタイプ。一言でいうとヘン子。

また、その文化が特徴的で、サウナとサンタとサルミアッキフィンランドの発祥。サ行で並べてみた。

「裸の付き合い」としての会議をサウナで行うほどで、一家に1つサウナがある。国会議事堂にもサウナがある。

サンタクロースはモデルがいるらしいが、現在の赤い変な服着たイメージの発祥は、フィンランドの「サンタクロース村」にある模様。

サルミアッキフィンランド名物で、世界一まずい食べ物と言われている物体。タイヤみたいな味がするらしい。

第二次世界大戦の枢軸国と言えば日本・ドイツ・イタリアだが、実はフィンランドも枢軸国の陣営だった。史上最高のスナイパーである「シモ・ヘイヘ」がいる。

北欧の中では比較的小さな勢力。スウェーデンには支配された歴史もあり、今でもライバル。失業率はそこそこ高い16%。

人口あたりのコーヒー、牛乳消費量がともに世界一。

電子機器メーカーのNOKIAフィンランド

 

 

76.デンマーク バイキング

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デンマークから伝播した北欧一帯の民族の祖先「バイキング」は、9世紀から11世紀にかけて西ヨーロッパ全域を侵略した海賊のこと。11世紀には、デンマークを中心にイギリスやスカンジナビア半島を支配した「北海帝国」を築いた。角のある帽子が特徴。ただし、実際には商人 としての性格が強かった模様。”Leg” “dog” “window” といった英単語はデンマーク語を起源としている。

北欧の中でも特に高負担で、租税負担率が世界一*1「人生満足度指数」で世界一(2018)。しかし、精神向上薬の使用率が多いらしい。

ドイツ北部の、主に、ユトランド半島とシェランド島からなる国。他にも大小1400強の島がある。北欧のなかでは1番南にある国の為比較的温暖で、また平地が多く、農業が盛ん。特に、食物以外の作物を育てる「園芸農業」が強く、クリスマスツリーの輸出国。

LEGOが有名だが、企業では他に世界最大の海運会社「マークスライン」がある。ちなみに2位の国は海のないスイス。

有名人は「みにくいアヒルの子」の作者アンデルセン、哲学者キルケゴール社会福祉の学者エスピン・アンデルセンがいる。

デンマークの赤字に白い十字の旗は、世界一古い国旗と言われている。

ハンドボールの強豪。

 

(補)グリーンランド

グリーンランドデンマークの旧植民地で、現在は自治領になっている。民族はモンゴロイドイヌイットが多く住み、デンマーク本土とは全く異なる民族(白人ではない)。言語も全く違い、カナダやアラスカのイヌイットと類似のもの。「キビヤック」というヤバい発酵食品がある。ググってみて

世界最大の島で、国土の80%は氷におおわれる本当に寒いところ。また、最北端の国土がある。

国としてみると、自殺率が世界一

 

(補)フェロー諸島

イギリス北部にあるフェロー諸島は、20の、嵐の海域にある切りたたった崖の島。バイキングが入植して以降、デンマーク領となっている。FFに出て来そうな見た目をしている。

自治政府を持ち、国連に加盟しない独自路線で政治・外交を展開している。

 

77.アイスランド  地熱発電

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アイスランドのNesjavellir地熱発電

名前的にややこしいが、グリーンランドよりもちょっと南東にある島。しかも、グリーンランドの方がよりアイスランド(前述)である。メインの島は7日ほどで一周できるほどの大きさ(環状の道路がある)で、周りにいくつか島がある。世界一透明度が高いダイビングスポットや、氷でできたクリスタルの洞窟が有名だが、国中で美しく雄大な自然が広がる。

3つのプレートの境界にあり、そこら中に温泉源がある。地熱発電による発電量は世界一で、電力の1/4を賄っている。ちなみに、日本は地熱発電のポテンシャルは高いが温泉に使いすぎて地熱発電はあんまりである。

アイスランド語は意味不明な発音が多く、世界で1番難しい言語とも言われている。唯一、フェロー諸島の言語と似ている。

ヨーロッパで最も人口密度が小さい。人種は、ノルウェーのバイキングとアイスランドケルト民族の混血。

また、少ない人口のコミュニティ的(ムラ的)な社会で、世界で有数に治安がいい。世界平和度指数1位(2014)。ジェンダーギャップ指数が世界一低い(男女格差が小さい)国でもある。

バルト海に接してないのに、「バルト海連合」に所属している。

歌手のビョークが有名。

パフィンやアイスランドホースといった、寒い地域の特徴的な動物が見られる。

 

 

 

 

なんか書いていると寒くなってきた。

参考画像をIKEANOKIALEGOにしたのはイマイチでしょうか?後日更新するかもです(後回し癖)

次回はベルネクスの紹介です。コメント・☆・ブックマーク喜びます。

*1:2015年財務省によると65.8%。日本は25.4%である。社会保障負担はルクセンブルクが世界一。