こんばんは、さこです。今回からついにアフリカの紹介に入ります。国連加盟国は54か国ありますが、12回に分けて紹介していく予定です。
アフリカは植民地時代の影響から作為的に引かれた国境が多く、ほとんどが相当の多民族国家です。国境が民族や文化とマッチしていないことが多く、国のカラーを表現するのには難儀する部分もありました。しかし、できるだけわかり易くまとめていきます。
今回はその走りとして北東部に伸びるナイル川本流にかかる2か国だけ紹介します。この地域はユーラシア大陸に近く、古代から文明が栄えた場所(古代エジプト文明)でもあります。
この二国は現代においても国際関係上に重要な立ち位置におり、その点を重点的に見ていくことで今後のアフリカ全体の相互関係の理解にも役立つと思っています。
〈アフリカ北部 ナイル川本流 2か国〉
91.エジプト アラブ連盟の盟主
エジプトと言えば、『遊戯王』に出てくるような、ピラミッドやらネフティスやらミイラやらのイメージだが、あえて現在のエジプトの特徴を前面に。現在のエジプト人は古代エジプトとは人種が異なり、アラブ人である。アラブ世界で最も人口が多いアラブ最大の国家である。また、ほとんどのアラビア語映画はエジプトで作っているなど文化的影響力も強い。
21か国が加盟するアラブ連合の本部を首都カイロに置き、アラブ諸国の独立の旗振りをした。とくに4度に渡る中東戦争ではアラブを代表してイスラエルと激しく対立する。中東戦争で敗北すると共和制国家になる。
アラビア半島からアフリカ北部に広がるアラブ世界のちょうど真ん中に位置する。エジプトから見て東を「マシュリク」、西を「マグリブ」と言う。アフリカとユーラシア大陸を繋ぐ地域でもあり、地政学上も非常に重要な場所。とくにスエズ運河は紅海から地中海を繋ぐ世界三大海峡の一つ。かつては、スエズ運河建設をめぐって負債を抱え、イギリスに実質的に支配された。今のエジプト人も旧イギリス植民地のため英語は割とできる。
アフリカでも人口3番目の大国。軍事力はアフリカでもトップ。しかし、2011年にエジプト革命以降、政治は混乱気味であり、経済的にはあまり豊かでない。
産業でいうとエジプトは世界で最も鉱業がさかんで、国民4人あたり1つの鉱山がある。
農業では、生産量1位のナツメヤシ(デーツ)は、中東やアフリカでは主要な食品。また、これまた世界一の生産を誇る「アーティチョーク」も日本人には馴染みがないが、ヨーロッパでは一般的な野菜。
世界一長い川ナイル川のデルタ地帯に99%の人口が住んでいる。1億人が5%の地域に密集している、過密の国。
多くの戦争を経験し、世界一地雷が埋まっている国(2300万個)。
92.スーダン 2つのアフリカの境界
アフリカはサハラ砂漠を境に、イスラム教のコーカソイドが居住する北部と、黒人が居住しブラックアフリカと呼ばれる南部と「2つのアフリカ」に分かれている。これは、巨大なサハラ砂漠によって文化圏が大きく分かれた結果のもの。しかし、ナイル川によって居住地区が広がり、北部のアラブ世界と南部のブラックアフリカが繋れた。その場所にあるのがスーダン。首都ハルツームは、白ナイルと青ナイル(注)の合流地点にある。
スーダンの人種はアラブ系が四割、黒人との混血が五割となっている。一方宗教はイスラム教が七割、アニミズムが25%くらいいる。このように、2つのアフリカが混じり合いっているのがスーダンの特徴。
一方で、政府はアラブ連盟に所属しており、イスラム教より。この関係から、非アラブ系を中心とした独立運動が世界でもトップクラスに多い地域である。世界で一番最近に独立した国「南スーダン」はその代表格。ちなみに、南スーダン独立までのスーダンはアフリカの最大面積を誇った。その他にも、現スーダン南西部でも紛争が継続している(ダルフール紛争)。
ナイル川を共有するエジプトは、かつては1つの国だったこともあり関係は深い。古代には「ヌビア」といわれた地域にあたり、エジプトよりもたくさんピラミッドがあるらしい。
次回は引き続きアラブ世界のアフリカ、マグリブ諸国です。
[次回以降の予定(アフリカ)]
→西アフリカ 3回
→中部アフリカ 1回
→東アフリカ 3回
→南部アフリカ 1回
→アフリカの島国 1回
計11回に分けて紹介