ジャスト イン スプリエ

まっさん、さこ、やんもの3人による更新となります。タイプの違う3人の怒涛の日々をお送りいたします。

世界193ヶ国をひとことで解説 中欧・前編 ヴィシェグラード・グループ(V4)

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「ヴぃしぇぐらーどぐるーぷ?って何ぞ」って感じになるのが普通だと思うが、中欧の東側にある、今回紹介する4カ国の共同体のことである。これらの国は昔から関係が深い。また、いずれも旧ソ連陣営の国という特徴がある。旧共産圏であることもあり、「東欧の国」と言われることが多いが、それを言われると嫌がることもここの国民の特徴。

民族的に考えると、今回の1か国を除き3か国は「西スラヴ」に分類されることも特徴。

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62.ポーランド WW2の被害

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左:ワルシャワ条約のシンボル 右:ユダヤ人弾圧のイメージによく使用される「ワルシャワゲットー蜂起」の時の写真

 欧米では、第二次世界大戦の最大の被害者という印象が強い国。第二次大戦のみならず、近代の帝国主義で何度も大国に飲み込まれて消滅している。にもかかわらず何度も復活する不死鳥のような国。

第二次世界大戦の引き金はナチスドイツとソ連ポーランド侵攻したことだった。国内には、アウシュビッツ強制収容所など戦争の遺物が多く残る。戦時下はナチスには徹底的に反発し、戦後はソ連陣営へ。ナチスに対するタブーは現在も強く、「ポーランドナチスに加担した」と表現することを違法とする法律ができそうになっている。

NATOに対抗する軍需同盟が「ワルシャワ条約機構」であったが、そのワルシャワポーランドの首都。(ただし、ワルシャワ条約機構の本部はモスクワにあった)。かつてのポーランド人民共和国旧ソ連の最も重要な衛星国であった。一方で、東欧で最初に民主化する。

北東バルト海沿岸のドイツからポーランドへまたがる「ポメラニア地方」はポメラニアン(犬)の故郷。もともとドイツ(プロシア)固有の領土だったが、第二次大戦後割譲された。一方、ポーランドは東部の、現在ウクライナベラルーシになった地域などを失っている。

 

と、ここまで戦争と冷戦の話ばかりになったが、それ以外では…

まずポーランド人はスラヴ系で2番目の人口がある。多くのスラヴ人とは異なり95%がカトリックで、3/4が敬虔な信者である。人口の50%が35歳以下の若者の国。

教育に熱心、大学学位取得率は50%と日本を上回る。これはそれほど高くない経済力を考えると非常に高い。国立大の授業料は無料。その背景には、マリーキュリー、コペルニクスショパンなどの学芸に通ずる偉人を輩出していることがある。

農業と自然が豊か。ベリー類の農業が盛んで、なかでもカシスの生産は世界シェアの半分を占める。料理も有名で、ライ麦の生産量はドイツと競り世界2位。

 

63.チェコ プラハの春

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写真はプラハ。この橋の感じがプラハって感じ

中欧の4か国に囲まれた内陸国。首都プラハは1000年以上の歴史ある街であり、戦争による被害や高度成長による影響が少なかったため、各時代の様式建築が立ち並ぶ「ヨーロッパの建築博物館」と呼ばれるようになった。

冷戦中期の緊張緩和(デタント)を象徴する、「プラハの春」は、1968年に起きたチェコスロバキアでの民主化運動。しかし、直後に弾圧される。

1989年の共産主義解体はそのスムーズな展開ゆえビロード革命と言われた。

西半分のボヘミア・東のモラヴィア・北東のシレジアの3つに大分され、地域主義が強い。ボヘミアンガラスは世界のガラス工芸の中でも特に有名。

北東の小さな地域であるシレジアは、住民の意識的にもほとんどポーランドに近い。

歴史的に宗教戦争が多かったこともあり、現在は無宗教が多い。国民の90%が無神論者。

ビールはドイツというイメージがあるが、チェコは一人あたりのビール消費量世界一。

キノコ大好き文化。日本語の「雨後のタケノコ」に相当する「雨後のキノコ」ということわざがある。天気が良い日はキノコ狩りに出かける。

 人物は、文学者のフランツ・カフカが有名。

 

 

64.スロバキア チェコの片割れ

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ブラチスラバ

ちょっと怒られそうだけど、一旦これで。もうちょいましな「ひとことで表現」があればアイデアを分けてください。

 

若い人以外は知っているかも知れないが、チェコスロバキアは以前同じ国だった。言語もチェコ語と似ていて、コミュニケーションとれる。分裂も非常に平和的に進み(ビロード離婚)、現在も2国間の関係は良好。

スロバキアは、無神論者が多いチェコに比べて、カトリック多い(人口の6割)比較的保守的なイメージの国。ヨーロッパで最も人種差別が多い国の1つとも言われている。4月に女性に水をぶっかける伝統行事がある。

首都ブラチスラバオーストリアハンガリーの二カ国の国境付近にあるという、世界的にも唯一無二の特徴を持つ。ただ、観光地的にはややパッとしない所らしい。

歴史的に王国を築いたことがなく、新しい国。ただ、第二次世界大戦時、チェコナチスにより解体されたが、スロバキアは傀儡政権が成立している。

チェコとともに、人口当たりの城の数が多い国である(統計によるが、世界一とも)。

名前と国旗が似ているスロベニアと混同しやすいが、互いに「スラヴ」を語源としている理由がある。

色々と地味な国だが、この地味さが観光的には穴場な国。

 

65.ハンガリー フン人(騎馬民族)の末裔

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左:フン人を描いた絵(ウィキメディアコモンズを通じヨハン・ネポムク・ガイガーより取得)

右:現代のハンガリー人(ルービックキューブを発明したルービックさん)

フン人・マジャール人という中央アジア騎馬民族の末裔と主張している。確かに、ハンガリー語は「マジャール語」とも呼ばれ、ヨーロッパでは完全に孤立した言語(ただし、文字はアルファベットを使っている)。また、ハンガリー(Hungary)という名前も、フン(Hun)人の国という意味である 。しかし、見た目はもろ白人。

ハンガリー人はパプリカが大好きで、ハンガリー料理はほぼ全部パプリカが入っている。

南にアルプス、北にカルパチア山脈に囲まれた「カルパチア盆地」に位置する。夏暑くて冬寒い京都みたいな気候。火山に囲まれた地域のため温泉が多い。1910年代には建築されたごっつい温泉施設がある。

第二次大戦では枢軸国で、ファシズム政権が「矢印十字」というシンボルを用いていた。戦後、史上最悪のハイパーインフレを起こす(ギネス記録)。現在は、(関係あるかどうか知らんけど)消費税が世界一高い国になっている。

かつては3倍の領土を周囲に持つ帝国であったが、第一次世界大戦後(トリアンヌ条約)でほぼ現在の領土になる。そのため、周辺国にはハンガリー人が今でも一定数いる。

原爆の生んだ天才ノイマンやの出身国。ちなみに、ルービックキューブもここで発明される。

西部を流れるティサ川はよく自然が保存されており、年に数回カゲロウの集団羽化が見られる(ティサの開花)。

内陸国なのに水球の強豪国。

 

 

 

次回はドイツとかその辺の国の紹介します。

コメント(特にスロバキアに関するもの笑)お待ちしております。