こんにちはSです。
民法では、~の請求権って山盛りありますよね。その請求権のそれぞれの期限があって、ごっちゃになりませんか。ということでまとめました。なんか抜けてる部分あれば指摘してください。
なお、筆者は行政書士に(ギリギリ)合格した程度の法律知識です。本ページで間違いが見つかったら指摘していただけると嬉しい。今後とも精進してまいります。
※twittterアカウントの法律問題bot (@law_quiz) では当該問題などを自動呟きしています。
問題
今回は民法総則~物権の期間12問
※簡単に問題が作れるサイトQuiz Generatorさんのサービスを利用しています。
回答まとめ
[ 問題 ] |
[ 答え ] |
占有回収の訴え |
侵奪の時から1年以内 |
占有保持の訴え |
妨害の存する間、または妨害の止んだ後1年以内 |
占有保全の訴え |
妨害の存する間 |
盗品・遺失物の返還請求権 |
2年以内 |
売主の担保責任、権利の全部の他人帰属 |
制限なし |
売主の担保責任、権利の一部の他人帰属 |
知った時(悪意なら契約時)から1年 |
売主の担保責任、数量不足 |
知った時から1年 (ただし、1年以内に担保責任追及の意思表示をすれば、訴えの提起は期間経過後でも良い) |
売主の担保責任、占有を伴う権利による制限 |
知った時から1年 (ただし、1年以内に担保責任追及の意思表示をすれば、訴えの提起は期間経過後でも良い) |
売主の担保責任、占有を伴わない権利による制限 |
制限なし |
知った時から1年 (ただし、1年以内に担保責任追及の意思表示をすれば、訴えの提起は期間経過後でも良い) |
|
請負人の担保責任、原則 |
引渡しから1年 |
請負人の担保責任、土地工作物 |
引渡しから5年 or 10年(鉄筋コンクリート) |
占有訴権
占有訴権には「占有回収の訴え」「占有保持の訴え」「占有保全の訴え」の3つがあります。
回収・保持・保全の時系列をイメージすることと、1年という数字がポイントです。
妨害すんな!(保全) →妨害やめろ!(保持) →返せ!(回収)というイメージ
前半2つは「妨害の存する間」
後半2つは「1年以内」
盗品・遺失物の返還請求権
これは、即時取得の例外の話です。
原則として、①動産を②無権利者から③取引で④善意無過失・平穏公然に占有を始めた者は所有権を取得(原始取得)します。これが即時取得
しかし、その動産が盗品または遺失物であった場合、例外的に元の所有者は返還請求ができます(193条)。これが盗品・遺失物の、特則による返還請求権
2年以内です。
売買契約の担保責任
売買契約の担保責任には6パターンあります
・全部他人物
・一部他人物
・数量不足
・占有を伴う権利制限(地上権など)
・占有を伴わない権利制限(抵当権など)
ポイントは、1年の制限があるかどうか。
無いのは、全部他人物と占有を伴わない権利制限(抵当権など)の2つ。
請負契約の担保責任
請負契約の担保責任
原則は…売買契約と同じ1年ですが、「知った時から」でなく「引渡しの時から」である点に注意。
一方、土地工作物(家をイメージして)は…5年or10年。これは、でっかいものの瑕疵を見抜くのはそう簡単でないことから、期間が拡張されていると解する。