ジャスト イン スプリエ

まっさん、さこ、やんもの3人による更新となります。タイプの違う3人の怒涛の日々をお送りいたします。

世界193ヶ国をひとことで解説 カリブ島嶼国・前編 大アンティル

こんばんは。

本日で三が日も終わり、明日から仕事と言う方も多いいかと思います。

お疲れ様です。

 

 

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※図の赤く塗られた国が「大アンティル」、黄色く塗られたところが「小アンティル」。

 

カリブ海の島国は、合計13カ国あります。アジアに来たと思ったコロンブスの勘違いから「西インド諸島」とも言います。

カリブといえば「海賊」ですが、その繁栄期は16〜19世紀初期まで。とくに1660〜1726年は黄金時代とされています。

 

基本的な特色として、多くの国がイギリス・フランスの旧植民地で、

現在の人口構成はかつての黒人奴隷をルーツとするアフリカ系がほとんどを占める国が多いこと。

言語は、英語やフランス語と現地語がミックスした「クレオール」が大半です。

また、アフリカの民族音楽と西洋楽器が融合による、多くの音楽ジャンルの生誕地でもあります。

 

植民地時代から続いて、サトウキビなどの輸出用農産物を単一で作る「モノカルチャー経済」になっている事が多く、その場合は経済発展が遅れています。興味がある方は『甘さと権力』とかおすすめ。

一方で、対照的に観光・金融などで経済を支えてられている国はかなり豊かになっていることもあります。

 

 

今回は上図の赤く塗られた5か国「大アンティル諸島」の国々について解説していきます。

 

〈大アンティル〉4カ国

169.バハマ 海を泳ぐ豚

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Lisa LarsenによるPixabayからの画像

 

アメリカのフロリダ半島のすぐ南にあるためリゾートとしてアメリカ人に人気。

また、タックスヘイブンの金融業も栄えて、近年「バハマ文書」で不正会計のリークがあった。

一人当たりのGDP中南米併せて最も高い約3.6万ドル(IMF2020年10月)。2位のセントクリストファー・ネービス(次章)は約1.7万ドルである。

 

複数の島によってなるこの国は、それぞれの島によってカラーがある。

「ナッソービーチ」や、豚だけが住む無人島で、海を泳ぐ姿が見られるというエグズーマ諸島が有名。

コロンブスが最初に到着したサンサルバドル島もある。

首都ナッソーにはアトランティスなるカジノリゾートがある。

全般的に観光資源は多様な国(イギリス植民地時代の砦や、白い砂浜のビーチなど)。

 

170.キューバ チェ・ゲバラ

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SurpriseによるPixabayからの画像

 

キューバは、チェ・ゲバラが主導した革命以降、共産主義体制を維持している。カストロはその時に首相になった人物。

かつてはアメリカ合衆国の裏庭とまで言われたが、現在は南北アメリカ大陸で唯一共産主義を今でも採用している国としてアメリカとは長年国交すら結んでいなかった。

注 2015年にオバマ政権時に国交回復。

「カリブに浮かぶ赤い島」と形容される。東西冷戦の「キューバ危機」は核戦争の一歩手前まで行った出来事として有名。

 

共産主義による国家的な選手育成で、ボクシングとバレーボールは強豪。バレーでは身体能力で最高到達点半端ないマン(ウーマン)が何人もいる。野球・バレーボール・ボクシングの世界大会で最多の一位をとっている。

 

ハバナキューバの首都。バハマハバナパナマ(中米の国)はややこしいけど全く別物。

 

マンボ・チャチャチャ・ルンバ・ソンなどのキューバ音楽を生んだ国。

熱帯地域の主要な野菜、ココヤムの生産量世界一。年間13万トン。

 

171.ジャマイカ レゲエ

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johnbonhamによるPixabayからの画像

 

 陽気で飄々とした雰囲気の下にある重いメッセージが魅力的な国。

レゲエの生みの親ボブ・マーリーの出身地。ドレッドヘア・大麻といった文化(?)もレゲエとともに発展した。

レゲエミュージックはもともと、奴隷貿易植民地主義から差別・貧困などの問題に迫った社会派の音楽であった。2014年にユネスコ無形文化遺産にも登録される。興味あれば、宗教と関係した「ラスタファリア運動」についても検索してみてほしい。

 

キューバ同様で身体能力が高く、世界最速の人類ウサインボルトなどのスプリント系の陸上競技が強い。

コーヒーで有名なブルーマウンテン山脈がある。

 

172.ハイチ 世界初の黒人共和制国家

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ウィキメディアコモンズより:ヤヌアリ・スホドルスキ-http://www.pinakoteka.zascianek.pl/Suchodolski/Suchodolski_2.htm

 

旧フランス植民地(旧サン=ドマング)で、1791年〜1804年に世界初の黒人奴隷革命によって独立。

革命後フランスはハイチに多額の賠償金を請求し、その事が経済発展を阻害した側面がある。現在でも世界の最貧国の1つで、未だにエネルギーとして木炭を主に使用する。

近年では2010年にハイチ大地震津波で大きな損害を出す。南北アメリカの中で最も貧しい国。

焼畑農業による森林伐採が深刻で、隣国のドミニカ共和国との国境が森林の薄さで分かるほど。

公用語の「ハイチ語」はフランス語のクレオール。 

173.ドミニカ共和国(DR) 野球

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MLB選手「エイドリアン・ベルトレ」。ウィキメディアコモンズより:Keith Allison on Flickr - Originally posted to Flickr as "Adrian Beltre"

 

メジャーリーグ外国人選手人数ダントツ一位の国。*1

 

同じイスパニョーラ島のハイチとの違いは、旧宗主国がスペインだったこと。その後の歴史の顛末で現在の2国の経済状況は天地ほど差があり、DRはカリブ諸国の中で最もGDPHDI(人間開発指数)が高い。カリブの優等生的存在。

首都サントドミンゴは、欧米人がはじめてアメリカに作った欧風都市として世界遺産。その他観光資源が豊富でカリブ諸国で最も観光客の多い国でもある。

 

ラテン系諸国の中で、最も早口でしゃべる民族らしい。*2

 

(補)その他

アンティルの地域にはほかに

野球の強豪であるアメリカ領プエルトリコ、イギリス領タークス・カイコス諸島があります。 

 

 

 

読んでいただきありがとうございました。

このシリーズも、残るところあと2回です。

次回はカリブ海諸国後編「小アンティル」の解説です。

*1:野球といえばプエルトリコも強いが、プエルトリコアメリカの海外領土の自治領のため正式には国ではない。 

*2:チリ(最終章)も同じくらい早口らしい。