こんにちは、さこです。
今回の括りは「アフリカの角」と言われるエリアです。
ここです。
アフリカ大陸東部で、角みたいになっている地域。
歴史的にも現在も、エチオピアの存在感が大きく、他3国も少なからず政治・経済でその影響を受けている地域です。
数少ない旧イタリア植民地の、イタリア領東アフリカとイタリア領ソマリランドがあった地域でもある。*1
(アフリカの角 4カ国)
120.エチオピア 世界最古の王室
皇帝を示す王冠したライオン
一昔前まではマラソンランナー「アベベ」と紛争による「貧困」のイメージを持っている人も多い。しかし、現代のエチオピアは世界第二位の経済成長率*2をとげる大国で、人口もアフリカで2番目に多い。
さらに首都アディスアベバは、アフリカ連合が本部を置くアフリカの政治的首都と言われている。EUのブリュッセル的ポジションである。
加えてエチオピアは、歴史的にはより存在感が大きい国である。まず先史時代において、人間が最も早く定住した場所ともいわれている(諸説あり)。*3
また最近まで数千年続いた世界最古の王室があった。オベリスクなど、アフリカで最も世界遺産が多い。
近代においても唯一植民地になっておらず、*4
ブラックアフリカで自国言語が公用語として運用されている唯一の国でもある。独自の文字もある。
エチオピア人はセムのルーツをもつクレオパトラ的な顔の人が多く、ソロモン王の子孫とも言われている。内訳として80の民族がおり、それぞれは全く違う言語2グループがある。さらに9つの民族別地域があり、それぞれ一定の自治権をもつ。
宗教は6割が由緒正しいキリスト教「エチオピア正教」を信仰している。黒人のユダヤ人がいる唯一の国でもある。
その他さまざま文化的にユニークな国。エチオピアのカレンダーは7年と3カ月遅れていたり、毎月30日っだったり独自のものを使う。
下唇に巨大な皿をはめ込む少数民族のムルシ族も有名。
121.エリトリア 報道の自由度ワースト
紅海沿いにエチオピアの沿岸を覆った国土が特徴の国。紅海に広く接しているものの、海岸砂漠になっており海岸沿いの居住者は少ない。首都も内陸にある。
エリトリア独立戦争を経て1961年に独立。その経緯からかエチオピアと仲悪い。一方民族や言語、文化までエチオピアと類似している
政治が混乱していて西洋マスコミからは「アフリカの北朝鮮」とか言われたりする。一党独裁体制で孤立している。報道の自由度ランキングで最下位である(2020年)。
この国の徴兵制度は、男女かかわらず徴兵される。
医療は割と発達しているが貧しい。
122.ソマリア 海賊
国家体制が機能していない失敗国家と言われ、スーダン・南スーダンと競って脆弱国家ランキングで世界1位の常連。グーグルで検索すると「ソマリア 北斗の拳」と出てくる。世界ではソマリアだけ190X年らしい。
ソマリア内戦では推定3万人の死者が出て、いくつもの独立勢力と海賊がからんで泥沼化した。事実上の統治は、(公式政府の)ソマリア連邦共和国の施政圏内は南部のみで、残りはソマリランド・プントランド・ほか幾つかの独立を主張する勢力によって統治されている。
アラブ連邦(中東編を参照)に所属するイスラム系の国のなかで、1番黒人が多い。そもそもアラブ色は薄い。カラフルな民族衣装が特徴的。
15歳以上の女子割礼の割合が世界一高く、98%が受けていると言われている。
123.ジブチ 軍事拠点の小国
地学的に特徴的な場所で、アラビアプレート・アフリカプレート・ソマリプレートの3つのプレートの境界で、アフリカ大地溝帯の始点である。特徴的な気候を持ち世界一暑い国 とも言われている。エチオピア国境の「アッベ湖」は火星みたいな風景が見られる。
また地政学的には、紅海の出口にあり、世界的な交通の要衝。小国でありながらアフリカ・日本・アメリカよりに軍事拠点や補給地して利用されている。中国も建設中。
中国からは、10兆円以上の総投資がされている国の1つ。その結果隣国のソマリアやエリトリアと異なり安定した経済成長をしており、サービス産業が発達。東アフリカのドバイを目指している。
一方で公務員と政治家の腐敗度指標である「腐敗認識指数」が世界で最も低く(政治腐敗が深刻)、政府の機能が脆弱。失業率が5割にものぼる。
エリトリアに海岸をブロックされているエチオピアにとっては港とのコネクションで、アディスアベベとつながる鉄道を作っている。
家畜としてのラクダの飼育数世界一。
では、次回で会いましょう。