おはようございます、さこです
ここから欧州に入ります。これまで国を一言で表現するという乱暴な企画ですが、またさらに乱暴なことを言ってみます。今回紹介する東スラヴの3か国は「ロシアとロシアみたいな国」です。3か国はロシアを中心に関係を考えるとイメージがしやすいと思います。
そもそもスラヴとは…詳しいことをちゃんと説明しろと言われると著者もよくわかっていないが、「ロシア系」みたいなものという理解をしてます。スラヴ系の民族と言われる人たちは、ヨーロッパの東の方にたくさんおり、主におおまかに今回の東スラヴ、バルカン半島の南スラヴ、中欧にいる西スラヴという分け方をします。その東スラヴです。
ちなみに、ロシアの国旗カラー赤青白はスラヴの色で、スラヴ系のいろんな国に使われています。
〈東スラヴ3か国 48.~50.〉
48.ロシア でかい
右:ロシアの行政区分。ウィキメディアコモンズを通じEzhiki (二次制作Plavius (talk) Luís Flávio)より取得
冷戦期は対立するアメリカとの二大勢力であった旧ソ連。経済力では先進国から一歩引いた地点にいるが(BRICSに数えられる新興国)、宇宙開発のような分野での存在感は大きい。核はアメリカより持っている。ソ連崩壊後もCISという諸国連合を作っている。
広い国土の利で、石油関連の統計ではサウジアラビアと一、二位を競る資源大国。天然ガスなど他の天然資源の産出も豊富。
ロシアの歴史は9世紀に東スラヴ系民族の「ルーシ人」が国家を作り始めることから始まる。その後モンゴルによる支配(タタールのくびき)を乗り越え、帝国へと進化してゆく。ロシア史は詳しくないので、コナンの映画で出てきたことぐらいしか分からん。
キリスト教ロシア正教は、東ローマ帝国の系譜を継ぐ正教会としては最大の信徒数をもつ。
9つの連邦管区の下部に85の構成主体がある。マジョリティとなるロシア民族(ロシアでは基幹民族という)のほか、ほかの民族が構成する22の共和国がある。その中で、ジョージア国境付近のチェチェン共和国は強く独立主張しており、独立を目的としたテロなども起こされている。近年ではクリミア併合以後、国際社会で孤立気味。日本との関係では北方領土問題が未解決である。
旧ソ連の国に共通して言えることだが、男性に対する女性が少ない。それとの関連性は不明だが、人口1000人あたりの離婚率4.7と世界でもダントツの一位。DVが社会問題になっている。
ウォッカの発祥であり、ロシア人は酒が強い。ボルシチとピロシキはロシア料理。
49.ウクライナ キエフ公国
左:ウクライナの国章。中心にキエフ大公の紋章が描かれている。 右:コサックダンスを踊る人
ウクライナはある意味、ロシア以上にロシアな国。というのは、世界史上にロシアが登場するのは9世紀ごろからだが、その当初の名前が「キエフ公国」。ではその首都である「キエフ」は何処かと言うと、現在のウクライナにある。そういった背景もあり、ウクライナにはある面ではロシア以上にロシアの伝統文化を継承している。例えば、コサックダンスとか。
一方で、ウクライナはロシア及びソビエト連邦の悪い部分の被害を一番受けている国でもある。有名なのはチェルノブイリ原発の事故。チェルノブイリとその隣のプリチャピは現在も廃墟になっている。さらに、1932〜33にかけて発生した大飢饉、ホロドモールは、スターリンによる人為的なものであるとして20世紀最大級のジェノサイドとの見方も強くある。
ソ連が崩壊した現在も進行形で、クリミア問題でロシアと対立している。記憶に新しいクリミア侵攻により、は現在事実上ロシアの支配下におかれている。 クリミア半島はウクライナ国土からのびているが、ロシア国土にも近く、また数少ない凍っていない港としてロシアは昔から重視していた。ベラルーシとの関係は、クリミア問題以降悪化気味である。
海外領土を含めたフランスを除くと、ヨーロッパで最大領土。
50.ベラルーシ ヨーロッパ最後の独裁
右:ルカシェンコ大統領(ウィキメディアコモンズを通じCSTO Collective Security Council meeting Kremlin, Moscow 2012-12-19 01.jpeg より取得)
ベラ=白、ルーシ=ロシアを意味し、白は東を意味する(陰陽五行思想から)。つまり、東のルーシ人の国。東西にロシアとポーランド、ラトビア・リトアニアとウクライナに南北を挟まれた内陸国。
ウクライナとの国境にチェルノブイリと近いところがある。チェルノブイリの放射線は7割がベラルーシに来ている。さらに、国土の1/5が汚染されており、都市への人口移動を引き起こした。汚染面積は3万から10万㎢にも及ぶ。
ポーランドの国境またがりに生息するヨーロッパバイソンは国の動物。
1994年の独立からずっと、ソ連が大好きなルカシェンコ大統領による独裁政権が続いている。同氏はヨーロッパ最後の独裁者とも言われている。差別主義者であるとの批判があり、何よりチョビヒゲが西洋人に嫌われている。一方、経済発展には貢献しており現在失業率も1%以下。
街が綺麗で犯罪率が低い。ヨーロッパで唯一死刑制度を維持している。自由経済を認めない社会主義経済を維持している。
EUには加盟していないが、ポーランドやバルト三国がEUとの橋渡し役のようになっている。ポーランドとリトアニアは文化的にも近い。
ベラルーシ語はポーランド語とロシア語のあいのこみたいな言語だが、ベラルーシ人の8割がロシア語を喋る。しかし近年はベラルーシ語の普及に努めている。
アルコール(酒)の消費量がダントツで世界一、とくにスピリット系を好んで飲む。
ヨーロッパで1番将棋が流行している国らしい。
東スラヴ諸国は3か国しかないのにややまとまりのない感じになってしまった感が否めないですね(^^; 特にロシア。
前から気になっていた人もいるかも知れませんが、前置きと最後だけ丁寧語で、内容がである調になっているんですね。これ、そのうち訂正した方がいいだろうか…
次回は小さな国が沢山あってちょっとややこしい所、旧ユーゴスラビア諸国を紹介します。