ジャスト イン スプリエ

まっさん、さこ、やんもの3人による更新となります。タイプの違う3人の怒涛の日々をお送りいたします。

世界193ヶ国をひとことで解説 中米編

今回から北アメリカ大陸南アフリカ大陸の境界、細長い陸地にある小国群にはいります。

今回の大陸上の中米諸国と、次回から2回にかけてカリブ海の島国を紹介していきます。

 

ほとんどの国で政情不安定な時代が長く続き、政情不安定で犯罪率が高い国がおおいです。その原因の一つとして、アメリカ合衆国植民地主義帝国主義の対象となったり

米ソ冷戦の代理戦争の舞台となったりと、歴史に翻弄されていることが挙げられます。

 

〈中米〉7か国

162.グアテマラ マヤ文明

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ティカル遺跡:DEZALBによるPixabayからの画像 

 

グアテマラ人は4割がマヤ文明からの子孫。ボリビア(南米・最終章)に次いでネイティヴ・アメリカンが多い国。

画像のような、密林に突然現れるプラミッドがマヤ文明の象徴である。

マヤ文明が現代に及ぼした影響は大きく、ゴム・ポップコーン・チューインガムなどはがマヤ文明が発祥である。

ちなみにカラーテレビを発明した人物はメキシコ人と言われているが実はグアテマラ出身。その他にも、メキシコとの紀元論争がいくつかある。

西半球1の人口増加率だが、世界で見ると34位(アフリカがやばい)。ほとんどがキリスト教徒だが、マヤの文化と融合した独自の進化を遂げている。

生誕祭前の1週間、首都アンティグアで2キロに及ぶ花絨毯をつくる祭りがある。

言語の面でも、21のマヤ言語を守っている。

 

163.ベリーズ カリブ海の宝石

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ブルーホール。ウィキメディアコモンズより:U.S. Geological Survey (USGS)

 

世界第2位のサンゴ礁ベリーズサンゴ礁保護区」を持つ、美しい自然が豊かな国。世界自然遺産に登録されている。画像のブルーホールもその中に含まれる。

一大リゾート地。

 

国土はグアテマラの西を垂直に切り取ったような、少し歪な形をしている。

他の中米の国は全てスペイン語公用語であるが、ベリーズは英語が公用語という違いがある。

 

164.エルサルバドル 中米の日本

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ウィキメディアコモンズより:マキリシュアットの花(by JMRAFFi)

 

知名度は高くないが、意外と日本との関わりが強い国。

 

・桜とそっくりの「マキリシュアット」という花が国花。

・(日本を除き)はじめて「満州国」を承認した国。

・日本が初めて海外進出して作った会社がある。

…ユサ社(東洋紡との合弁・1955〜)。現在はエルサルバドル穀物を支配する巨大企業になっている。

 

1970年ごろまでは中米一の工業国であったが(その頃、「中米の日本」と言われた)、「サッカー戦争」をきっかけに一気に経済が混乱した。

サッカー戦争」は、隣国ホンジュラスとの経済格差からくる摩擦から、サッカーの試合を火種に開戦した戦争。戦争によってホンジュラスにいた移民が一気に帰国したことで、政治・経済が混乱。極右による白色テロが頻発するようになる。

以後、1980年ごろから左派勢力と内戦状態になり、現在は殺人発生率が世界一の治安の悪い国になっている。

政治的に右派色が強い国のイメージ。

中絶を違法としている国は世界で10カ国以上あり、中南米に多いが、エルサルバドルは特に厳しい。

 

165.ホンジュラス バナナ共和国

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ウィキメディアコモンズより:FedericoZenith-Original upload comment:Image imported from https://openclipart.org/detail/9574/banana-republic-flag

 

バナナ共和国というと、「バナナなどの一次産品の輸出に頼った不安定な国」といった侮蔑的なニュアンスのある言葉であるが、ホンジュラスがその代表であった。現在のバナナの輸出量・生産量自体はそこそこである。

 

近代以降、アメリカの「ユナイテッドフルーツ社」によりバナナ農業が導入される。以後、ホンジュラスはバナナ等の輸出用の農業に依存したモノカルチャー経済となった。

エルサルバドルが先に工業化して喧嘩になる(サッカー戦争)。以後、ホンジュラスエルサルバドルは日本と韓国のような関係に。

国鳥がコンゴウインコ。

 

166.ニカラグア 世界最長の独裁

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ウィキメディアコモンズより:Official photograph published in several Dominican newspapers. August 1952. Copyright expired (D.R. copyright is life plus 50 years)

 

 19世紀に米国人傭兵「ウィリアム・ウォーカー」に政権がとられた過去がある。

 その後、1936年〜1979年に「ソモサ」一家のよって築かれた独裁政権時代が「世界最長の独裁」と言われている。独裁政権共産主義に親密な左派による革命で崩壊。

左派政権下で、親米勢力「コントラ」との戦いである「コントラ戦争」が勃発。米ソ代理戦争の舞台となる。冷戦の終結で紛争は落ち着いたが、その後選挙によって現在も左派政権が成立している。

ニカラグア湖を挟んで国土を横断する「ニカラグア運河」を建設中。香港企業が行っているが、資金面などの問題で現在凍結中。完成すればパナマ運河を脅かす存在になる。

世界でも貧しい国でありながら男女格差が小さく、ジェンダーギャップ指数は2018年で5位。10年間で著しい向上の結果である。こういう所も左派っぽい。

 

167.コスタリカ  中米の楽園

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中米のなかで、経済的にも政治的にも安定しているコスタリカは「中米の楽園」と言われている。

自然も豊かで、地球上すべての生物種のうち5%が生息すると言われるほど生物多様性がある。「環境保護先進国」として名高い。

常備軍を持たないと憲法で定める、数少ない「平和憲法」のようなものを備えている。このような国は日本・コスタリカ・スイスくらい。

実際には非常時徴兵制度を取っている。また、公安警察と言う軍隊に準ずるものがある。

 

168.パナマ パナマ運河

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パナマ運河を渡る貨物船:Arunas BruzasによるPixabayからの画像

 

太平洋と大西洋をまたぐ世界の交通の要衝、「パナマ運河」は

アメリカによって建設され、1914年に開通する。

1999年までその運営権はアメリカの手中にあったが、パナマに返還される。

以後、パナマ運河の通行料はこの国の経済を支える。1tあたり1ドル39セント。

1人あたりのGDPはメキシコをやや上回り中米一。経済成長率でみても唯一成長を続けている。

香港に次いで広い免税地域を持ち、世界1位の船籍国でもある。

 

民族的には実はボリビアグアテマラに次いでネイティヴ・アメリカンが多い国。

 

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

次回はカリブ海前編・後編に2回に分けて解説していきます。

さこ

世界193ヶ国をひとことで解説 北米+メキシコ編

こんばんは、このシリーズの追い込みをかけて

元旦に連投します!!

 

今回は北米カナダ、アメリカ合衆国とメキシコについて解説していきます。

有名な国が多いですし

もっとこの点触れた方がいいよ!というご意見等ぜひいただければ幸いです。

 

〈北米+メキシコ〉3か国

159.カナダ メイプル

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OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像

 

北アメリカ大陸の北部を占める大国。寒い土地の広い国土を活かした産業が盛ん。

基本的に英語圏アメリカとの関係が強いが、東部にあるケベック州だけフランス語圏で独自の集団を形成している。

亜麻、レンズマメ、からしの種、セイヨウアブラナ、メイプルシロップの生産量世界一。国旗にもなっているメイプルは世界シェア80%で、ほとんどケベック州で作っている。

意外と世界トップクラスの産油国でもある。

 

地図を見ると北部のガタガタになっているところは「カナダ楯状地」で、魔境。

無数の湖(凍っている)と島があり、島の数は世界一。

湖の中に島があり、その島の中に湖があり、その湖の中に島があったりする。その辺は気候条件がやばくて行くことは不可能。

海岸線が最も長い国でもある。

 

アイスホッケーが強い。

 

160.アメリカ スーパーパワー

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Free-PhotosによるPixabayからの画像

 

言わずと知れた経済力・軍事力最強の国。(GDP約2000兆)

 

貿易依存度は低く、内需型の経済で成り立っている。

農業も盛んで、耕作地の面積が世界一。

生産量世界一の品目:トウモロコシ、グレープフルーツ、イチゴ、ぎゅにく、鶏肉、七面鳥、馬、ソルガムきびなど。

電力輸入量・天然ガス使用量が世界一であることからも、経済活動の活発さがうかがえる。

科学論文の投稿数やオリンピックのメダル数でも世界一。

 

大陸横断鉄道という、世界一長い鉄道がある。この鉄道は独占禁止法のきっかけになったものとして有名。世界一長い道路もある。

政治面では実は他の国とはちがった特殊な面が多い。

アメリカの大統領制合衆国制は欧州の多くの国などのとは大きく異なる特殊なものとなっている。

また、度量衡の分野で「ヤード・ポンド法」を採用していたり、温度の目盛りが「華氏」であったりとそのあたりもグローバルなスタンダードを無視する傾向が見られる。

 

161.メキシコ 銀

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Walter FreudlingによるPixabayからの画像

 

世界一のスペイン語人口を誇る大国。ブラジルに次いでラテンアメリカ2番目の経済力をもつ。

世界一労働時間が長く、年間総実労働時間は2257時間。それでほんとに世界一かよ?と思った人は、休んでくれ。

 

主要産業は銀。

世界史上でも、ヨーロッパでインフレを巻き起こすほど大量の銀を産出したことで知られる(価格革命)。メキシコ(イスパニア)銀は中国へも渡る。

現在も銀の輸出世界一。

 

次に、メキシコの特色として食べ物がある。

イメージとしてはテキーラ・タコス・トルティーヤ・サボテンのステーキぐらいのイメージだが、実際にはもっと凄いインパクトがある。

トウモロコシ・唐辛子・チョコレート・トマトは生活に根付いているが、いずれもメキシコが原産である。あと、アボガドの生産は世界一。

 

植民地以前の文明は栄え、3000年の歴史がある。アステカ文明は、メキシコで15世紀に栄えた文明である。生贄の心臓を抉り出す儀式をしていた。現在でも、伝統的な150種類のスポーツが辛うじて残っている。

 

一方で負の側面として治安の悪さが知られる。

メキシコ麻薬戦争は現在、世界で4本の指に入る深刻な内戦で、2019年も1万人以上の死者が出ている。

 

 

次回は中米編(島国除く)です。

いいね・ブクマぜひ。

世界193ヶ国をひとことで解説 ポリネシア編

あけましておめでとうございます。

長年もかけて進めてきたこの企画ですが、この年末年始にラストスパートかけるということで

新年早々から、更新します。

 

 

今回のポリネシアは、オセアニア諸島の中で一番太平洋のど真ん中の僻地、ニュージーランド・ハワイ・イースター島を直線で結んだ三角形の地域に広がる島々です。

民族の身体的な特徴が他と一線を画しており、ポリネシア人は身長が高く屈強な人が多いです。イメージとしては、「モアナと伝説の海」。

たとえば、トンガ人の平均身長は男性で176センチあります。身体能力が高く、ラグビーやプロレスなどのスポーツでも頭角を現しています。ちなみに、ニュージーランドマオリポリネシア系で、オーストラリアのアボリジニはオーストラロイド。

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ウィキメディアコモンズより:User:Kahuroa - Outline: File:World2Hires filled mercator.svg; Map information based on Vaka Moana: Voyages of the Ancestors - the discovery and settlement of the Pacific, ed K.R. Howe, 2008, p57.

 

 

ポリネシア (3)

156.ツバル 沈みかけの国

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キリバスマーシャル諸島と同様、全てが環礁からなる国

標高が低く、キリバスモルディブとともに地球温暖化による海面上昇で沈みかけの国としてよく取り上げられる小国。

経済も小さい国。名目GDPは世界で最も低く、38億円。ちょっとしたベンチャー企業くらいのサイズ。

国別トップレベルドメイン(.tv)アメリカの企業に売却していることで知られる。

AbemaTVの公式サイトなど、テレビ関係のサイトで利用されたりしている。

もともとはキリバス(前章)と同じ植民地区分だった。

 

157.サモア 太った女性の母系社会

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ポリネシア人が最も多く住む地域。

92%がネイティブのポリネシア人で、さらに国外に多くのサモア系が移住している。

そのため土着言語サモア語も根強く残っている。

「マタイ」といわれる母系社会が特徴的で、太った女性が魅力的とされていることも特徴的。肥満率も高い。

注))太平洋諸島一般的に、肥満が問題になっており(参考 ナウル然り)、世界肥満ランキングをならべると10位までをほとんとオセアニア諸島が独占する。

選挙により国家元首(日本でいう所の天皇)を選ぶという珍しい政体をとっている。

日付変更線を挟んですぐ隣に「アメリカ領サモア」がある。

国民みんなが視聴する、視聴率90%のテレビ番組がある。

 

158.トンガ オセアニアの帝国

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ウィキメディアコモンズより:戴冠式のトゥポウ6世(2015年7月4日)Cpl.BrittneyVito-https://www.dvidshub.net/image/2044038/coronation-day#.VcF4T_k71kB

 

オセアニア島嶼国で唯一の元帝国主義国で、唯一欧米の植民地になっていない国。

王政が今でも残っている。

13〜16世紀で「トンガ交易圏帝国」を築き、

ポリネシア全域さらにメラネシアミクロネシアを支配。支配地域以外にも朝貢体制に近いものを敷いた。

さらに19世紀には、ヨーロッパの植民地主義にならって隣国フィジーを信仰したりしている。

太平洋戦争時には、イギリス側に立ち日本と交戦。

 

人種的に大柄な人が多く、過去世界一大柄な国王としてギネスブックにのったことがある。(トゥポウ4世 209.5kg)。

現在のトンガは日本との貿易が盛んで、カボチャを主に対日輸出用で生産している。

 

(補)その他

その他、以下の国の飛び地もポリネシアに属する。

フランス領ポリネシア

タヒチ島で有名。世界の90%の黒真珠を生産している。

アメリハワイ州

言うまでもないアロハなリゾート。

イースター島(チリ)

言うまでもないモアイ。チリ領である。

 

以下3つについては国連承認されていないが日本は国家承認しており、外交もしている。

ニュージーランド自由連合

クック諸島

・ニウエ

 

 

これにてオセアニア諸国が終了です。

次回からは、南北アメリカ大陸 に入りいよいよこのシリーズもフィニッシュです。

 

世界193ヶ国をひとことで解説 ミクロネシア編

今回オセアニア第二弾です。

ミクロネシアは比較的日本から近く、近現代史に詳しい人にとっては「旧南洋諸島」というとわかりやすい地域です。

ドイツ植民地だったこの地域は第一次大戦後、委任統治領として日本の施政下におかれました。*1

メラネシアでも若干触れましたが、オセアニア諸国は太平洋戦争時等でかつては日本との関わりも実は深い国が多いです。

現在は代わってアメリカが主となっています。

マーシャル・パラオ・FSMはアメリカと自由連合盟約を結んでおり、経済援助をする代わりに軍事と外交はアメリカが掌握するシステムを取っている。

また、キリスト教の一宗派である「モルモン教」はオセアニア島嶼国では存在感がでかく、特にミクロネシアでもみられます。

では今回ミクロネシア5カ国について解説してまいります。

 

ミクロネシア(5)

151.ミクロネシア連邦(FSM) ムー大陸の首都?

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ウィキメディアコモンズより:CT Snow from Hsinchu, Taiwan - the ruins of Nan Madol in Pohnpei

第一次世界大戦以降、日本の委任統治南洋諸島の一部だった。今も日系人が2割ほどいて、初代大統領も日系2世だった。

森林率90%の熱帯雨林の島。

小さい島が点在する国土は小さい国だが、排他的経済水域は300万平方メートルある(世界14位で中国より広い)。※ちなみにキリバス(後述)は13位。

 

青地に星4つのシンプルな国旗を持つ。国旗の星4つは4つの州を意味し、州ごとにそれぞれ文化が大きく異なる。

東側の「ヤップ州」は伝統文化が豊富。石貨(ストーンマネー)といわれる、石でできた貨幣を利用されていた地域がある。巨大な石の円盤で、世界一大きな貨幣といわれている。

首都がある「ポンペイ州」は「ナン・マドール(ナンマトル)遺跡」で有名。巨石でできた人工島が海上に並び『太平洋のベニス』などと言われている。

ムー大陸の首都と言う説もあるらしい。

「チューク州」「 はともに常夏の島といったイメージで、チューク州には太平洋戦争時の沈没船が見られるダイビングスポットが多数ある。

 

現在の公用語は英語。米国式教育を実践しており、GDPに占める公的教育費が10%以上あり、世界一(UNESCO 2018)。

 

152.パラオ 親日の島

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Syed Rashid MinhasによるPixabayからの画像

 

南洋諸島で、現在も親日な国として知られている島国。

現在のコロール市には委任統治時代の南洋庁の本部があった。

現在の首都は「マルキョク」というところだが、人口が400人程度しかおらず世界一人口が少ない首都である。

太平洋戦争時には、ペリリューの戦いの舞台になる。

言語的に他のミクロネシア語と孤立した特徴的な言語を使う。

 

153.マーシャル諸島 ビキニ環礁

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WikiImagesによるPixabayからの画像

世界にいくつかある、国土全てが環礁からなる国。*2

アメリカによる核実験が何度も行われたビキニ環礁は、負の記憶として世界遺産になっている。ビキニ水着の語源とゴジラ誕生の原因になったやつ。

今でもその名残があり、爆心地のクレーターや放射線の残留がみられる。

そういった歴史もあり特にアメリカとの関係は深く、経済の6割がアメリカからの援助で成り立っている。

パナマに次ぐ世界二位の船籍国である。*3

 

 

154.ナウル アホウドリの糞でできた国

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この国の特徴は肥満と堕落。

国土がアホウドリの糞でできていた島国。

そのためかつては、リン鉱石資源が豊富でかつては世界最高水準の生活だった。その時代のナウルは税金もなく、結婚すれば国が家をプレゼントしてくれたという天国のような国だった。

肥満率は63で世界一(日本3.7%、アメリカ37%、WHO2017)。

現在はそのころの名残か国民総ニート状態となり、失業率9割という眉唾なデータもある。

あまりにひどすぎて全国民の移住計画が持ち上がったこともあった。

年率の財政収支が20%超と、世界一黒字率が高い(IMF2019)。

世界で3番目に小さい国で、オセアニアで1番小さい国でもある。

この国に興味ある方は、タイトル同名の書籍『アホウドリの糞で出来た国―ナウル共和国物語』をぜひ。

 

(補)その他

国ではないですが、以下いくつかの国の飛び地もミクロネシアに属します。

・グアム(アメリカ)

小笠原諸島(日本)

北マリアナ諸島アメリカ)

 

155.キリバス ガチの日出ずる国

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Clker-Free-Vector-ImagesによるPixabayからの画像

日付変更線を見ると南半球のところがすげーグニャッとボコっとなっているところがある。そこがキリバス

世界で唯一、南北東西の半球全てにまたがる国である。(海外領土入れるとフランスも)

世界で1番最初に日が昇る国。場所的にはミクロネシアポリネシア(次章)の両方にまたがる地域圏。民族的には完全にミクロネシアである。

ナウルと同様、全てが環礁からなる国。

33個の環礁が集まる小国だが、排他的経済水域の広さで見るとブラジルに次いで世界13位。人口トップの中国やインドより大きい。

クリスマス島は世界一大きな環礁。島の周辺で20回ほど核実験が行われた歴史がある。

ギルバート諸島フェニックス諸島ライン諸島からなる。ギルバート諸島のブリタリ環礁では太平洋戦争で戦場になっており、コール・オブ・デューティーで出てくるらしい。

キリバスは紀元前3000年前から生活が営まれていたと言われており、オセアニア諸国の本家であるという自負を持っている。

英語と土着語のギルバート語を話す。他のミクロネシア語も、ギルバート語と共通の特徴を持つ親戚(パラオ除く)。13のアルファベットからなり、Sの音がない(そのため、英語表記はkiribati)。

ハリセンボンの兜と、サメの歯で作った劔で武装した軍があった。

 

*1:ナウルキリバスに関しては、日本の旧南洋諸島ではない。

*2:ドーナツ状に,中央部に島のないサンゴ礁(byコトバンク)。天橋立のような、幅10メートル程度で標高が低い国土が細長く環状に連なっている。

*3:便宜置籍船(べんぎちせきせん、英: flag of convenience ship)とは、その船の事実上の船主の所在国とは異なる国家に船籍を置く船をいう。実質的な所有主の国籍国の船旗ではなく、便宜的に船籍を置いた他国の旗を付けて運航されている。 Wikipediaより。マーシャル諸島の他にも、船籍を置かせることが国家経済を担っている国はいくつかある。

世界193ヶ国をひとことで解説 メラネシア編

オセアニアの島国は、メラネシア系、ミクロネシア系、ポリネシア系の3区分に分けられます。今回含めて3回にわたって紹介していきます。

 

前提知識として、オセアニアの先住民は何人種かご存知でしょうか?

世界の人種をコーカソイド(≒白人)、ネグロイド(≒黒人)、モンゴロイド、オーストラロイドに分けられる。

主にこのオーストラロイドが、オセアニアを特徴づける人種であると考えて進めていきます。

 

今回のメラネシアは、「黒い諸島」という語源のあるところです。

オセアニアのなかでも多様な文化・民族があることが特徴です。

大昔はオーストラリアとニューギニア島までつながった「サフル大陸」と呼ばれる大陸を形成しており、紀元前数千年からの人類の営みの歴史がある地域です。

一方で高度な文明が発達した地域ではなく

そのためかつては、文化人類学の対象として多く取り上げられています。

『銃・病原菌・鉄』や、マリノフスキの『西太平洋の遠洋航海者』など。

それでは以下4か国について解説していきます。

 

メラネシア(4)

147.パプアニューギニア 世界最多の民族と言語

 

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Speedy McVroomによるPixabayからの画像

グリーンランドに次いで世界で2番目に大きな島であるニューギニア島

そのニューギニア島を縦にスパッと切って右半分、および幾つかの島からなる。

852の言語が確認されている。世界でもトップクラスに多様な民族が住む国。

その民族はユニークないで立ちや、独自の文化を持っているものも多く、冒険バラエティ等の対象になったりしている。

たとえば、死人を燻製にするアンガ族が有名。

太平洋戦争下で戦場になった場所でもある。*1

自然も非常に豊かで国土を覆う熱帯雨林は大きく、未確認の生物が沢山いるとされる。

国旗の右上のシルエットは、極楽鳥の一種である「アカカザリフウチョウ」。そのほか、キノボリカンガルーのようなユニークな生き物がいる。

大麻の使用率世界一。国民の3割が使用している。

 

148.ソロモン諸島 金髪の黒人

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画像はやっつけ仕事。

 

タイトルだが、厳密にいうと金髪のオーストラロイドである。

住民の1/4が、黒い肌に金髪を持った珍しい特徴を持っている。興味がある人はググってみてほしい。

ガダルカナル島は太平洋戦争のとき日本軍が補給を断たれ、2万人が餓死した。そのため、「餓島」と言われたりした。

サツマイモの消費が世界一(FAO 2003)。

 

149.バヌアツ バンジージャンプ

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ニューカレドニアという大きな島とその他の諸島からなる国。

バンジージャンプの元祖となった、成人の儀式「ナゴール」が有名な国。

木でくみ上げたやぐらから、命綱のツタを足にくくってジャンプするバヌアツのある地域で行われている成人の儀式。

そのほか文化として、島々の部族の伝達手段として用いられた砂絵は世界無形文化遺産に登録されている。

エロマンガ島という島がある。

 

150.フィジー インド系との共存

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メラネシアでは東端に位置し、太平洋のど真ん中の島国。文化的にもポリネシア(後章にて述べる)に若干近い特徴を持つ。土着人種にははソロモンと同様金髪の黒人がいる。

民族構成が特徴的で、フィジー土着民族は60%弱で、3割強が印僑

19世紀に渡来したインド人が多く、フィジー訛りのヒンディー語公用語の一つになっている。

かつては南太平洋では宗教的な食人の習慣がある民族が散見されたが、とくにフィジーは欧米諸国で食人族の島として有名だった。

 

次回はミクロネシア編。

 

*1:戦時下の日本では「ジャワの極楽、ビルマの地獄、死んでも帰れぬニューギニア」と言われたところ。10人に1人しか生き残れなかった。ニューブリテン島にはかつて日本軍の一大拠点となったラバウルがある。

世界193ヶ国をひとことで解説 OZNZ編

 アフリカ編が終わり、今回からオセアニアに入ります。今回はまずは主要2か国から。

多くの人は良く知っている2国だと思いますが、あっさい知識を並べてみます。

なお、主が行ったことある外国は4か国しかなくて、うち2か国はオーストラリアとニュージーランドです。

 

145.オーストラリア 羊

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オーストリアは島ではなく大陸である。その広い国土から、有数の資源国。

鉄鉱石・ボーキサイトは世界一の生産。石炭も輸出はトップクラスで、日本は上述のような工業原料資源をオーストラリアからの輸入に依存している。日本はLNG(天然ガス)の輸入先としてもオーストラリアが一位になっている。アルミナ(Al2O3)、リチウム、チタン、ジルコニウムタンタルの生産量も世界一。

天然資源の他、畜産業が盛んで(人間より羊の方が多い)、羊毛の生産量も世界一。

先住民族アボリジニ

俗に、イギリスの軽犯罪者が島流しされる場所だったと言われている。英語のアクセントが特徴的で、todayのことをトゥダイと言う。

 

146.ニュージーランド パキア(白人)とマオリ(原住民)

 

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羽根のないニュージーランドの国鳥、キーウィが有名。そのことからニュージーランド人のことをキーウィと言う。

先住民族マオリ」はポリネシア系で、体格がいい。渡来した白人は「パキア」と言う。世界中から移民を受け入れている国でもある。

オーストラリア同様羊の牧場が広がる自然豊かな国。ロードオブザリングナルニア国物語など、映画のロケ地としてよく使われる。

ラグビーソフトボールの強豪国。ラグビーオールブラックスは、試合前にマオリの伝統舞踊「ハカ」をすることで有名。

オーストラリアとの国際交流は盛んで、テレビのオーストラリアの電波を見られる。

 

世界193ヶ国をひとことで解説 アフリカの島国

 

こんにちは

アフリカ最終回は、アフリカに属する島国を紹介していきます!

実は、島国はアフリカ大陸国と比べて生活水準が高いことが多いです。もう一つの特徴としては民族の混血や、ディアスポラ(移民)が多いことです。

では、アフリカの残り6か国を紹介していきます!

 

(アフリカの島国6ヶ国 139〜144) 

139.カーボベルデ ポルトガルとアフリカの混血

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画像:Photobucketより

アフリカ諸国の中で一番西端にある島国、カーボベルデ

かつては奴隷貿易の中継地点として栄えた。

セネガルの沖合にあり、逆くの字型に並んだ10の島からなる。人口は50万人で、日本にいるニートの数と同じくらい。ヨーロッパに近いためか国外のカーボベルデ人は国内より多くいるという、ディアスポラが盛んな国。

青地に10個の星が環状に並ぶ国旗はちょっEUの旗に似ている

ポルトガルの影響が強いアフリカの国である。旧ポルトガル植民地で、アフリカ系黒人とポルトガル系との混血が非常に進んでいる。肌は黒く、金髪で青や緑の瞳を持っている人がいたりする。

教育水準が高い。ギニアビサウとは一時同じ国だった。

 

140.サントメ・プリンシペ 赤道を通る島 inアフリカ

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画像:外務省ホームページより

14ある赤道が国土を通る国の一つ。

ギニア湾上にカメルーン山から連なるように位置する、2つの火山島からなる。*1

ポルトガル語圏の国。

元は無人島であったが、カーボベルデと同様ポルトガル奴隷貿易の中継基地となり、またプランテーション農業地となったり、帝国主義の拠点となった。現在も輸出の大半はカカオが占めるモノカルチャー経済で、世界最貧国のひとつである。

民族はアフリカ系黒人が多数を占めており、ほとんどの人はポルトガルクレオールを話す。アフリカでセーシェルに次いで人口が少ない。

降水量が多く、年間降水量は世界2(2016.FAOより。1位は南米のコロンビア)。

                                                        

141.マダガスカル 8番目の大陸

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InspiredImagesによるPixabayからの画像

モザンビーク沖にある比較的大きめの島で、日本の1.6倍の面積がある。

アフリカでも突出してユニークな国。筆者個人的にはピクサー映画のイメージが強い。生物の多様性に富んでおり*2この国固有の種も多く、100種類いるキツネザルや、特徴的なバオバブの木などがある。

また、民族的にも特徴的であり、インド洋を隔てたオセアニア諸国と同じオーストロネシアンの系譜をたどっており、ジャワ語と似た土着言語を使う。宗教は人口の半数が土着宗教を実践している。

世界で消費される60%のバニラを生産する国。その他、世界最大のイルメナイト埋蔵量があるなど、鉱山資源も実は豊富でポテンシャルを秘めた国。

 

142.コモロ連合 3島で首相ローテーション

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左:ウィキメディアコモンズを通じSpesh931より

モザンビークマダガスカルの間にある島国。主に3つの島からなる。国旗に描かれる星のシンボルは、フランス領のマヨット島を含めて4島を表している。*3

アフリカで2番目に小さく、4番目に人口密度が多い。

周辺の島にはフランスなどの海外領土が多く、その多くがコモロより豊か。

主要3島は自治に近いことをしていて、3島の出身者からローテーションで首相を輩出するようにしている。

イスラム系(スンニ)の国で、アラブ連盟に属する最南端の国で、かつ1番小さい国。ただし黒人の国である。

コモロ語・アラブ語・フランス語の3か国が公用語

 

143.モーリシャス アフリカのサラダボウル

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マダガスカルの東にある、モーリシャス島とその周辺のいくつかの島からなる国。アフリカで1番人口密度が高く、経済も自然も豊かな国である。*4

民族構成が特徴的で、住民の6割がインド系であると言われている。残り4割は白人や中国系で、モーリシャスにはネイティヴの人種少ない。

言語も、みんな3カ国か4ヶ国語を話せる。英仏とヒンディー・中国語・クレオールなど。テレビではいろんな言語がごちゃ混ぜになっている。

国の動物が絶滅したドードー

インド人が多い国ゆえ、ヒンドゥー教がマジョリティ。

 

144.セーシェル HDIアフリカ最高

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bummelhummelによるPixabayからの画像

アフリカ大陸に南にある115の島々からなる島国。

国名はフランスの昔の財務大臣から来ており、古くからフランスの影響を多く受けている。現在はイギリス連邦に加入。

セーシェルは、一人当たりGDPHDI(人間開発指数)がアフリカ1の豊かな国。

その経済はほとんど観光業によって支えられており、美しいビーチなどの豊かな自然を求めて欧米などから多く観光客が訪れる。ビーチの近くに巨大な花崗岩が見られる特徴的な風景が有名。また、森林率はガボンを抜いてアフリカ1。世界的なゾウガメの生息地でもある。

民族は欧米系、アフリカ系、アジア系と様々なルーツがあるが、クレオール化しほぼ単一民族になっている。

チェコに次いで世界で2番目にビールの消費量が多い国でもある。

 

以上です。

次回からオセアニアに入ります!!

*1:カメルーン火山列に属する。

*2:世界の5%の生物多様性シェアを誇る。

*3:背景として、1960年に同じフランスの植民地区分だった4島が独立する際にマヨッテ島のみ残留したことがある。

*4:アフリカで3番目に一人当たりGDPが高い。